2021年12月29日(水)
米軍基地周辺38地点 PFAS基準値超え
沖縄 最大46倍の値も
沖縄県は27日、米軍基地周辺で実施している有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)の2021年度の夏季の調査の結果、PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の合計値が、49地点中38地点で国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を超えたと公表しました。
県は17年度から毎年、夏季・冬季の2回調査を行っており、今回は普天間基地(宜野湾市)、キャンプ瑞慶覧(北谷町など)、嘉手納基地(嘉手納町など)、キャンプ・マクトリアス(うるま市など)、キャンプ・ハンセン(金武町など)周辺の河川や湧水など49地点で実施。嘉手納基地周辺の民家の地下水からは、最大で指針値の46倍に当たる2300ナノグラムが検出されました。
PFOS・PFOAは有毒で残留性も高く、わずかな量であってもがんや低体重出産などの重大な健康被害を引き起こすと言われています。県環境保全課は「嘉手納飛行場、普天間飛行場周辺の暫定指針値超過は基地からの影響である蓋然性(がいぜんせい)が高い」とし、飲用しないよう関係市町村に周知していくとしています。
また、県は28日、6月10日に発覚したうるま市の米陸軍貯油施設からの泡消火薬剤含有水が流出した事故を受け、流出したとされるPFOS等の含有水が保管されている貯水槽のサンプルの分析結果を公表。PFOSとPFOAの合計で指針値の1660倍に当たる8万3000ナノグラムが検出されました。事故発生時、米側は汚染水流出を把握していたにもかかわらず、日本政府を通じての県やうるま市への第一報は翌日の夕方でした。