2021年12月30日(木)
サンゴ移植裁決 デニー知事が批判
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う、サンゴの特別採捕・移植の許可を撤回した県の処分について、農林水産相が28日に取り消しを裁決した問題で玉城デニー知事は同日、裁決は「公平・公正な判断であったとは到底いえません」と非難するコメントを発表しました。
県は、サンゴの特別採捕・移植を許可した際、高水温や台風の時期を避けるなどの条件を付していましたが、防衛省沖縄防衛局が従わず移植を強行したため7月30日、許可を撤回しました。
同防衛局は県の処分を不服として、行政不服審査制度を乱用し、農水相に処分の取り消しを求めて審査請求を行いました。県は同審査請求の審理で県の処分の正当性を主張してきました。
デニー知事はコメントで、高水温・台風の時期の移植はサンゴが生き残る可能性を低下させ、水産資源保護法の趣旨に反することを、科学的根拠に基づいて丁寧に説明してきたと述べました。
「国が自らの意向を地方に押し通すために、私人の権利利益の救済制度である行政不服審査制度を用いてしまえば、地方自治は保障されなくなってしまう」と批判しました。