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2022年1月5日(水)

主張

憲法施行75年

岸田改憲許さない決意新たに

 今年は日本国憲法が1947年5月3日に施行されて75年です。憲法は、アジア・太平洋戦争への痛苦な反省の上に立って、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」(前文)、制定されました。岸田文雄政権は憲法に自衛隊を書き込む9条改憲の動きを強めています。これは憲法が掲げた原点に真っ向から反する逆流です。憲法施行の節目の年を、岸田改憲を許さず、憲法を守り生かす転機にしていくことが重要です。

首相の前のめり発言

 岸田首相は昨年秋の自民党総裁選の時から、任期中の改憲を実現したいと公言しています。新年の年頭所感でも、「自由民主党結党以来の党是である、憲法改正も、本年の大きなテーマ」と強調し、「国会での論戦を深めるとともに、国民的な議論を喚起」すると主張しました。首相は昨年12月に行った一連の講演でも「憲法改正」に触れ、「積極的にこの課題にも取り組んでいきたい」「次期通常国会では、更に議論が深まることを心から期待」などと前のめりです。

 昨年の総選挙後、自民党は首相の指示で「憲法改正推進本部」を「実現本部」に改組しました。自民、公明、日本維新の会の改憲勢力が衆院の3分の2以上の議席を得たことを受け、改憲の実現に拍車をかける狙いです。実現本部初会合(12月21日)には、岸田首相の他、安倍晋三元首相や麻生太郎副総裁らが出席し、改憲の機運づくりへ全国遊説や対話集会など国民運動の強化を決めました。

 首相が目指す、自衛隊明記や人権を制限する「緊急事態条項」創設は、日本を「戦争する国」に引き戻す危険なたくらみです。首相が目指す「敵基地攻撃能力の保有」や大軍拡と一体となって、東アジアの軍事的緊張を高め、戦争を招きかねない重大な動きです。

 75年前の憲法施行に当たり、当時の文部省は中学1年生の教材として小冊子『あたらしい憲法のはなし』を作成しました。9条の「戦争の放棄」について、「日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、二つのことをきめました」として、武器を持たないことと紛争は話し合いで解決することを丁寧に説明しています。

 そして「(戦争の放棄を)心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません」と記しています。紛争を平和的に解決することをめざす9条の先駆性は、いまこそ生かさなければなりません。岸田首相による9条破壊を阻むことは、東アジアの平和にとって不可欠です。

草の根から署名を広げて

 安倍元首相が2017年の憲法記念日に言い出した「20年中の改憲」の企ては行き詰まりました。国民多数が改憲を望まず、「戦争する国づくり」への反対の声が広がったためです。市民と野党の国会内外の運動も力を発揮しました。

 総選挙後のメディアの世論調査でも、岸田政権に改憲を求める声は少数です。岸田改憲に大義はありません。7月の参院選で改憲勢力を少数に追い込むたたかいが急務です。「9条改憲NO! 全国市民アクション」の全国署名を広げに広げ、平和な日本をつくるために草の根から力を合わせようではありませんか。


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