2022年1月6日(木)
米軍基地でコロナ急拡大
ずさんな水際対策
日米地位協定改定こそ
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新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の急速な感染拡大に伴い、沖縄県など全国各地の米軍基地で感染が急激に拡大し、基地周辺での市中感染の引き金になっており、国民の命・暮らしを脅かしています。
沖縄県では4日、米軍基地内で新たに164人の感染を確認。累計の感染者数は3863人に達しました。大規模クラスター(感染者集団)が発生したキャンプ・ハンセンが最多の1206人ですが、それ以外でも嘉手納787人、キャンプ瑞慶覧515人、普天間303人などとなっています。
岩国基地(山口県岩国市)でも5日、米軍関係者182人から新型コロナの感染を確認。沖縄県と岩国市では同時期に日本人の感染も急拡大しています。
三沢基地(青森県三沢市)は4日、昨年12月26日~今年1月3日に新たに56人の感染が確認されたと公表。この人数は集計が漏れていた分で、既報分と合わせると4日時点で計82人が感染し隔離されています。青森県は5日、県内で初めてオミクロン株の感染を確認。同県によると、当該感染者は三沢基地の関係者だといいます。
横須賀基地(神奈川県横須賀市)では、昨年12月30日までの8日間で米軍関係者75人の感染を確認。うち大半は最近入国したばかりでした。その後の感染状況の発表はなく、不安が広がっています。
横田基地(東京都福生市など5市1町)では5日、新たに65人の感染を確認。うち57人は昨年12月29日以降に判明しました。57人のうち30人は米本土から入国した際の検査で陽性となりました。
佐世保基地(長崎県佐世保市)でも、昨年12月28日までの8日間に16人、同29日~今年1月5日に16人の感染が確認されました。
全国の米軍基地での感染拡大の背景に、米軍に特権を保障している日米地位協定によって、米軍関係者が検疫を免除されている実態があります。しかも、全ての来日する米軍関係者について出国時のPCR検査が免除されていたなど、ずさんな運用が発覚。到着後の検査も5日以内となっていました。今年に入り、米軍は24時間の検査に切り替えましたが、既に手遅れです。一刻も早い地位協定の抜本改定で、入国禁止や検疫の対象にすべきです。(斎藤和紀)