2022年1月27日(木)
論戦ハイライト
「殲滅能力」持つのか
「敵基地攻撃」穀田議員が追及
日本共産党の穀田恵二議員は26日の衆院予算委員会で敵基地攻撃能力の保有検討についてただし、岸田文雄首相が敵基地に限定せず「抑止力」として相手を殲滅(せんめつ)するような打撃力を持つ考えに言及していることを厳しく批判しました。
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穀田氏は、相手を「殲滅する」能力である「打撃力」こそ「抑止力」だという安倍晋三元首相の議論を拒否するのか否かについて、岸田首相の明確な答弁を迫りました。首相は「コメントすることは控える」と拒否。穀田氏は、岸田首相が昨年3月のツイッターで安全保障上の喫緊の課題として「敵のミサイル発射能力そのものを直接打撃し、減衰させることができる能力を保有することが必要」と提言したと指摘し、「安倍元首相が主張する『打撃力』の議論と何が違うのか」とただしました。
「あらゆる選択肢を排除せず、議論していく」と述べるだけで、まともに答えない岸田首相。穀田氏は「戦争放棄をうたった憲法とは絶対に相いれない」と批判しました。
岸田首相が24日の衆院予算委で、安倍政権時代に集団的自衛権の行使を容認した新「武力行使の3要件」を確認したとして「武力行使については、その原則に基づいて対応すべき」と説明したことについて、「新3要件を満たせば集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行うということか」と迫りました。
穀田「自衛隊が米国と共に他国に攻撃可能に」
首相「具体的議論これから」
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さらに穀田氏は、安倍元首相が「台湾有事」に関連して、米国への攻撃があれば集団的自衛権の行使もできる可能性に言及したと指摘。「安保法制のもとで、自衛隊が米軍とともに他国の領域にまで攻め込んで攻撃できるようになるのではないか」と追及しました。
首相 国家安全保障戦略のなかで、具体的に考えていく。
穀田 集団的自衛権の行使として、敵基地攻撃を行うのか。
首相 具体的な議論をこれから始める。今の時点で申し上げることはできない。
穀田 日本が攻撃を受けていないのにアメリカを守るため、他国への攻撃が可能になる。
穀田「沖縄戦悲劇繰り返す」
首相「答えは控える」
今月7日に行われた「2プラス2」(日米安全保障協議委員会)共同発表は、新たな「緊急事態に関する共同計画」の策定作業の進展に言及しました。
穀田氏は、沖縄県の地元紙が、自衛隊と米軍が「台湾有事」を想定し、南西諸島に攻撃用の軍事拠点を置く新たな日米共同作戦計画の原案を策定したと報じたことを紹介。軍事拠点化の可能性があるのは約40カ所で大半が有人島。陸上自衛隊がミサイル部隊を配備している奄美大島、宮古島や配備予定の石垣島も含まれ、「住民が戦闘に巻き込まれる可能性が高い」と指摘されていることをあげ、計画の有無を問いました。
首相 答えは差し控える。
穀田 まさに、日本の島々を米国と中国の戦争拠点にするということではないか。拠点となった島は人々が生活する島だ。まさに沖縄戦の悲劇を繰り返すことになりかねない。政府は「国民の命を守る」といいながら、住民の命をないがしろにする計画づくりが秘密裏に進められているのは大問題だ。
穀田氏は、国民へ計画の内容を明らかにすることが政府の責任だと批判。中国による東シナ海や南シナ海での覇権主義の行動に対しては、国連憲章と国際法に基づいた冷静な外交的批判が何より大切だと指摘し、憲法9条を生かした平和外交に徹することを強く求めました。