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2022年2月3日(木)

官房機密費「政策推進費」

“領収書不要金”菅前内閣12.4億円

加藤官房長官 退任直前 会見日も8500万円支出

 菅義偉前内閣が支出した官房機密費(報償費)のうち当時の加藤勝信官房長官しか使途を知らない領収書不要の“つかみ金”である「政策推進費」が12億4000万円にのぼることが2日、本紙が情報公開請求で入手した資料で分かりました。加藤氏は退任直前の会見で、2021年9月末時点の支出額を約11億6000万円と説明していましたが、会見当日に新たに多額の政策推進費を支出していました。(矢野昌弘)


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(写真)政策推進費の出入りを記録した「政策推進費受払簿」。昨年10月1日に加藤氏が8500万円の政策推進費を金庫に移したことが記録されています(右)

 加藤氏は、菅内閣が総辞職する3日前の昨年10月1日に記者会見をしました。

 会見では菅内閣が発足した2020年9月16日から21年9月末までに加藤氏の裁量で自由に使える政策推進費の支出額を明らかにしていました。

 政策推進費は、官房機密費の金庫から、官房長官自身が管理する金庫にお金が移された時点で“支出完了”となるお金です。

 本紙が入手した資料によると、加藤氏は昨年9月末までに11億5500万円の政策推進費を支出していました。

 資料によれば、会見した当日に加藤氏は、8500万円を政策推進費として、自身が管理する金庫にお金を移していました。

 これを加えると、菅内閣は合計12億4000万円の政策推進費を1年余りの在任期間中に支出したことになります。

 また、官房長官が管理する金庫からのお金の出入りを記録した「政策推進費受払簿」によると、加藤氏が政策推進費を納めた金庫から計12億200万円を引き出しています。

 加藤氏は、会見で明らかにした11億5500万円に加え、前任の菅官房長官(当時)が金庫に残していった4200万円を引き出した他、昨年10月1日に政策推進費を納めた金庫から500万円を退任するまでの4日間に引き出していました。

 この計12億200万円が何に誰に使われたのかは、加藤氏しか知らない“使途秘匿金”です。384日間の官房長官在任中、毎日313万円が加藤氏の手から消えていった計算になります。

 加藤氏が退任した際、政策推進費の金庫に残された資金は後任の松野博一官房長官に引き継がれたかっこうです。

 菅内閣は発足早々、日本学術会議が推薦する委員6人を任命拒否し、今も取り消されていません。

 菅首相は「(学術会議は)年間約10億円を使っている。国民に理解される存在でなければ」といいながら、自身の内閣ではそれを超える多額の使途秘匿金を使ったことになります。


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