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2022年2月24日(木)

米国サッカー女子代表

男女賃金差別に「勝利」

「前例のない成功」「私たちは前進できる」

 【ワシントン=遠藤誠二】米国サッカー女子代表チームは22日、男女賃金格差の解消を求め代表側が起こした訴訟で、男子代表チームと同額の賃金を支払うことなどで米国サッカー連盟と合意しました。賃金格差はじめ性差別の解消にむけたたかってきた女子代表チームの勝利です。

連盟と和解

 米国サッカー連盟は今後、ワールドカップ(W杯)を含む各大会等で男子代表チームと同額の賃金を保証。女子代表チームに和解金2200万ドル(約25億3000万円)を支払います。

 また、200万ドル(約2億3000万円)で引退後の選手支援などを目的とした基金を設立することで合意しました。

 連盟と女子代表チームは22日、共同声明を発表し、「彼女たち自身と将来の選手の平等な賃金を勝ち取るという前例のない成功を成し遂げた」と今回の和解をたたえました。

 バイデン米大統領は22日、「フィールドでたたかっている時もそうでない時も、決してあきらめなかった女子代表チームを誇りに思う」とツイッター上で祝福しました。

 2019年女子W杯の最優秀選手で得点王のミーガン・ラピノー選手はABCテレビに出演し、「今回のことを通じて得た正義は、私たちが受けてきた性差別は二度とあってはいけないということと、次世代の人により良いことを成し遂げ、サッカーをベストなスポーツにするため私たちが前進できるということです」と語りました。

 同じく代表をつとめたアレックス・モーガン選手も同番組で、「これは私たちチームや女子スポーツの勝利だけでなく、女性全員の勝利です」と話しました。

 米国サッカー女子代表チームは19年、男子代表チームの38%だった給与の格差を是正するため6600万ドルの損害賠償をもとめる訴訟を起こしましたが、20年5月に連邦地裁はこの訴えを棄却。代表側は再び訴訟を起こしました。

 20年暮れに、遠征時の移動手段やホテル、支援サービスなどの待遇面で、男子チームと同等にすることで連盟と和解。しかし、給与格差の是正には至りませんでした。

 米国女子代表チームは15、19年のW杯で連覇を果たしています。


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