2022年3月4日(金)
ロシア軍の即時撤退を求めた国連総会決議(要旨)
ロシアによるウクライナ侵略を議論した国連総会緊急特別会合が2日に採択した決議「ウクライナへの侵略」の要旨は次のとおりです。
総会は、
国家間の法の支配の促進における国連憲章の最重要性を再確認し、憲章第2条に基づくすべての国の義務は、国際関係において、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対する武力の威嚇又は使用をも避け、又は国際連合の目的に反するその他の方法をも避け、かつ、その国際紛争を平和的手段により解決することであることを想起し、
2022年2月24日のロシアによるウクライナでの「特別軍事作戦」宣言を非難し、
武力による威嚇または武力の行使の結果として生じるいかなる領土の取得も合法的なものとして認められないことを再確認し、
住宅、学校、病院などの民間施設への攻撃や、女性、高齢者、障害者、子どもを含む民間人の死傷者の報告について重大な懸念を表明し、
ウクライナの主権領域内でのロシアの軍事行動は、国際社会がこの数十年間欧州で見たことのない規模であり、この世代を戦争の惨劇から救うために緊急の行動が必要であることを認識し、
一国の他国に対する武力行使は、すべての国が守ることを約束した原則を否定することであり、ロシアの現在の軍事攻勢は憲章に反することを想起した2月24日の事務総長の声明に賛同し、
ロシアが核戦力の準備態勢の強化を決定したことを非難し、
ウクライナとその周辺における人道的状況の悪化と人道支援を必要とする国内避難民と難民の増加に重大な懸念を表明し、
―ウクライナの主権、独立、統一、領土保全に対するコミットメントを、国際的に認められた国境内において再確認する。
―憲章第2条に違反するロシアによるウクライナへの侵略に最も強い言葉で遺憾の意を表する。
―ロシアに対し、ウクライナへの武力行使を直ちに停止し、いかなる加盟国に対してもこれ以上不法な武力による威嚇または行使を行わないよう要求する。
―ロシアに対し、ウクライナの国境から直ちに、完全かつ無条件に、すべての軍を撤退させることを要求する。
―ウクライナのドネツク州及びルガンスク州の特定地域の地位に関連する22年2月22日のロシアの決定は、ウクライナの領土保全と主権の侵害であり、憲章の原則と矛盾するとして遺憾の意を表する。
―ロシアに対し、ドネツク州及びルガンスク州の特定地域の地位に関する決定を即時かつ無条件で撤回することを要求する。
―ロシアに対し、憲章及び友好関係宣言に定める原則を順守することを求める。
―ベラルーシがウクライナに対する今回の不法な武力行使に関与していることを遺憾に思うとともに、同国に対し、その国際的義務を順守するよう求める。
―ロシアとウクライナの間の紛争を政治的対話、交渉、調停及びその他の平和的手段により直ちに平和的に解決することを要請する。