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2022年3月25日(金)

人道決議採択へ国連総会再開

ロシアを非難 90カ国が共同提案

ウクライナ侵略めぐり

 【ワシントン=遠藤誠二】国連総会は23日、ロシアによるウクライナ侵攻に関する緊急特別会合を再開し、2日に採択された対ロシア非難決議に続く、人道に関する決議案について協議しました。決議案は、明確にロシアを非難するものと、ロシアに言及しない二つが提出されています。討論では、ウクライナの市民や民間施設を攻撃するロシアを非難し、国際人道法の順守、戦闘行為の即時停止を求め、ロシアの無法を批判する声が相次ぎました。

 採択を前に60カ国が演説を予定しています。最初にウクライナのキスリツァ国連大使が登壇し、ウクライナの人道状況の深刻さは大災害レベルに達していると説明。フランスとメキシコが作成した決議案について、人道的危機の原因に明確に言及しており、各国に「無関心の傍観者」とならないよう、支持を訴えました。

 同決議案には、ウクライナ周辺諸国や米国、英国、日本を含む5大陸すべてから約90カ国が共同提案者として名を連ねています。「ロシアのウクライナへの敵対行為が引き起こした悲惨な人道的結果に遺憾を表する」と明記。敵対行為の即時停止や、人道支援員、ジャーナリスト、女性や子どもらを含む民間人の完全な保護を要求しています。

 一方、2日のロシア非難決議に棄権した南アフリカが、ロシアの侵攻に言及しない決議案を提出しています。ロシアのネベンジャ国連大使は、各国に、南ア提出の決議案への支持を呼びかけました。ロシアを名指しで非難する決議案の提出は、状況を悪化させる「反ロシアの政治ショーだ」と主張しました。

 前回のロシア非難決議案には、193加盟国中、141カ国が賛成。今回のロシア非難を含む決議案への賛同国が前回を上回るかどうかが注目されています。


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