2022年4月1日(金)
安倍元首相の「核共有」提案
シンガポール首相 懸念
シンガポールのリー・シェンロン首相は30日、訪問先のワシントンで、米シンクタンク外交問題評議会の催しに出席し、ロシアのウクライナ侵略に対する各国の対応として、日本の安倍晋三元首相が提案した「核共有」の考えや、韓国の世論調査で核能力開発支持が多数となったことなどをあげて、「私たちは非常に危険な方向に向かっている」と強い懸念を示しました。
リー氏は、ウクライナ情勢への北東アジアでの対応として、安倍元首相が「米国の核兵器を受け入れることを検討すべきだと述べた」と紹介。これまでも戦略問題に関与する一部の日本人は、そういった発想を持っていたが、「今度は、安倍氏がテーブルに乗せた」と指摘しました。
リー氏は「日本政府はノーと言った」が、「アイデアは植えつけられ、消え去りはしない」と述べました。
また、韓国の最新の世論調査で「何らかの核能力を開発すべきだ」との考えが多数となったと指摘。もし北朝鮮、韓国、日本、中国に核兵器があり、さらにイラン、トルコ、サウジアラビアやその他の中東諸国まで核兵器を持つことになれば、「われわれは非常に危険な方向に向かっていると思う」と述べました。