2022年4月2日(土)
校閲の目
キエフからキーウへ
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政府が3月31日、ウクライナの首都の呼称を、従来のロシア語の発音に由来する「キエフ」から、ウクライナ語の発音に基づく「キーウ」に変更しました。首都以外の地名も同様に変更します。
たとえばウクライナ第2の都市「ハリコフ」は「ハルキウ」、南部の港湾都市「オデッサ」は「オデーサ」、東部の「ルガンスク」は「ルハンシク」などと変わります。「チェルノブイリ」も「チョルノービリ」となります。
一方、激戦地の「マリウポリ」や2014年にロシアに併合された「クリミア半島」などは、もともとウクライナ語のため変更されません。また国名は「ウクライナ」のままです。
最近では15年にロシア語の「グルジア」国が英語の「ジョージア」に変更しました。そもそも外国の地名表記の基準はどうなっているのでしょうか。
新聞では「原則として現地での呼称に基づく片仮名書き」で日本人に読みやすい表記にしています。また「ヂ、ヅ、ヰ、ヱ、ヲ」は使いません。V音の「ヴ」も使わず、B音またはW音にしています。
旧ソ連時代は「Kiev」だったので「キエフ」と書きました。現在は「Kyiv」で、そのまま書くと「クィイヴ」ですが、日本人が発音しやすい「キーウ」となりました。(河邑哲也)