2022年4月15日(金)
武装陸自隊員がデモ排除訓練
銃突きつけ「制圧」も
20年に米軍と共同 公然と敵視
陸上自衛隊が2020年11月4日に、米海軍の横瀬貯油所(長崎県西海市)で、米軍基地反対の抗議活動をする市民の排除を想定した訓練を米海軍と共同で実施していたことが分かりました。自衛隊員はいつでも銃口を向けられるよう武装。憲法で保障された平和的デモを公然と敵視しており、批判は避けられません。
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米国防総省の映像ニュース配信サイト「DVIDS」が20年11月5日に配信した写真記事によると、陸自と佐世保基地(同県佐世保市)所属の米海軍が同4日に、日米共同基地警備訓練「ガード・アンド・プロテクト2020」を実施。陸自隊員2人が、「NO NAVY LEAVE JAPAN(海軍はいらない。日本から出ていけ)」と書かれたプラカードを掲げた「デモ参加者」の前に立ちふさがり、1人が無線を使用。もう1人が銃を持って立っています。訓練は基地のゲート外の路上で実施されたとみられます。
同記事によると、「ガード・アンド・プロテクト」は毎年実施。「米海軍の施設・部隊に対する脅威に対応するため、米海軍と陸自の即応性や相互運用性を向上」することを目的としています。いつから「反基地デモ」排除を想定していたかは不明です。同記事には、同日に横瀬貯油所で基地内に侵入した市民に陸自隊員が銃を突き付けて制圧する訓練の写真も掲載されています。
防衛省は本紙の取材に対し、「基地への抗議活動を行っている人物が基地に不法侵入した場合を想定した訓練の一場面を撮影したものと承知している」とコメントしました。
陸上自衛隊の湯浅悟郎陸上幕僚長(当時)は20年1月に「反戦デモ」を敵視した講演を行い、その講演資料は廃棄されず、そのまま残されていることも判明しました。
日本平和委員会の千坂純事務局長は今回明らかになった日米共同訓練について「平和的なデモを武力で押さえつけることを想定した重大な内容だ。反戦デモ敵視と結びついた危険な体質を表している」と指摘しました。