国連難民高等弁務官事務所って？

　Ｑ　ロシアのウクライナ侵略に関わってよく登場する、国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）って？

　Ａ　紛争や迫害で故郷を追われた難民、国内避難民、無国籍者を支援する国際機関です。各国政府や企業、市民社会と連携し、世界１３２カ国・地域で活動しています。国連の通常予算のほか、各国の任意の拠出金から資金を賄っています。１９５４年、８１年にノーベル平和賞を受賞しました。

　Ｑ　設立の背景は？

　Ａ　第２次世界大戦後の欧州で、避難を余儀なくされ、家を失った数百万人への対応が出発点でした。４９年の国連総会決議で創設が決まり、５０年に発足しました。

　Ｑ　活動内容は？

　Ａ　現地で食料や生活物資、医療福祉、シェルターの提供など、生存に不可欠な緊急対応を行っています。難民認定が適切に行われるための政府支援や、難民問題の啓発活動も取り組んでいます。

　Ｑ　解決すべき課題は？

　Ａ　武力紛争地帯やその周辺地域で活動することが多いため、スタッフが攻撃され、誘拐される被害が発生しています。こうした安全上のリスクや、慢性的な資金不足が課題となっています。

　Ｑ　ウクライナ避難民の現状は？

　Ａ　ＵＮＨＣＲはホームページ上で人数を毎日更新しています。４月３０日時点では、国外に逃れた難民が約５４０万人、国内避難民が約７７０万人となっています。食料をはじめとする緊急支援のほか、教育や雇用創出といった自立・復興支援が求められています。

　（２０２２・５・１）