2022年5月18日(水)
「稼げる大学」授業料上げも
吉良氏反対 高等教育無償化に逆行
参院文科委
卓越大学法案可決
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参院文教科学委員会は17日、大学ファンドから支援を受ける大学を国際卓越研究大学として認定する法案を自民、公明、維新、国民民主の各党の賛成で可決しました。日本共産党の吉良よし子議員は、認定した数校だけを対象に巨額の助成をすることと引き換えに「稼げる大学」へ変質させ、規制緩和で授業料の値上げまで認める問題を追及し、反対しました。
吉良氏は、規制緩和を政府が卓越大学に認めようとしている理由を質問。文部科学省の池田貴城研究振興局長は「経営の自律性を高めるため」とし、稼げる大学に向けた財政基盤確立の一環だと認めました。
吉良氏は、現在国立大学の授業料は国が定める標準額の120%が上限だが、上回る設定も可能になると強調。高等教育の漸進的無償化に逆行していると批判しました。末松信介文科相は「慎重に検討を行う」とし、上限額を上回る引き上げを否定しませんでした。
吉良氏が支援期間を尋ねると、池田氏は15年以上の長期支援が必要と答弁。吉良氏は数校への支援が固定化されると批判しました。
吉良氏は、卓越大学に認定された大学では学外者が半数以上を占める「合議体」が学部や学科の再編に取り組むことになると指摘したのに対し、末松氏は各大学が「自主・自律」で取り組むと答弁。吉良氏は、年3%の事業成長の達成に向け議論する合議体が学長の上に置かれれば、もうからない研究が淘汰(とうた)対象になるのは明らかだとし、「学内の意見をないがしろにし、大学自治を破壊するものだ」と批判しました。