2022年5月22日(日)
「専守防衛」投げ捨て、大軍拡で暮らしおしつぶす道
共産党躍進でストップを
北九州市・福岡市 志位委員長が訴え
参院選公示まで1カ月
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公示まで1カ月となった参院選で、日本共産党は21日、勝利・躍進を勝ち取ろうと、全国で宣伝や対話、党勢拡大に全力をあげました。志位和夫委員長は北九州市、福岡市で訴えました。志位氏が、「『戦争か、平和か』――日本の進路が問われる大切な選挙です。比例代表で650万票を実現し、正義の熱血弁護士・にひそうへいさんを含む5人のベストチーム全員の勝利を」と力を込めると、大きく広がった聴衆の輪から、盛大な拍手と歓声が湧きあがりました。
志位氏は、ロシア・プーチン政権がウクライナ侵略を開始してから3カ月近くになるとして、「危機に乗じて『9条を変えろ』の声が強まるもとで、『平和と憲法を守りたい』という願いも広がっています」と指摘。「9条を生かして平和をつくる四つの呼びかけ」((1)国連憲章に基づく全世界の団結で、一刻も早く戦争を終わらせよう(2)核兵器使用を絶対許さず、「核兵器のない世界」をつくろう(3)危機に乗じた「戦争する国」づくりを力をあわせて止めよう(4)9条を生かした外交で、東アジアを平和な地域にしていこう)を力を込めて訴えました。
この中で志位氏は、「戦争する国」づくりにかかわって、自民党、維新の会などがやろうとしていることが二つあると指摘しました。
一つめは、「専守防衛を投げ捨てる」ことです。志位氏は、「敵基地攻撃」が問題になっているとして、防衛大臣が、“相手国の領空に入って行って、爆撃することもありうる”と述べたことに触れ、「いまプーチン大統領がやっていることではないですか」と告発するとともに、「攻撃対象は『指揮統制機能等』――日本でいえば首相官邸のようなところまで広げようとしている」と指摘。さらに、そのための兵器をもつと主張していることに言及し、政府の一貫した答弁は「9条のもとでは相手に攻撃的な脅威を与えるような兵器を持てない」だったと述べ、「これをいま、ひっくり返そうとしています。これを日本がやったら、相手の国はどうするか。さらなる軍拡でこたえるでしょう。『軍事対軍事』の悪循環を引き起こし、戦争につながる危険な道を許すわけにいきません」と強調しました。
もう一つが、この道を進めば、「恐るべき大軍拡が必要になる」ことです。志位氏は、自民党や維新が軍事費をGDP(国内総生産)比2%にすると主張していると指摘。これでは軍事費は11兆円以上となり、世界第3位の軍事大国になるとして、「では、その財源はどうするのか。5兆~6兆円もの軍拡です。消費税大増税か、社会保障の大削減になることは、誰が見ても明らかです」と強調しました。その上で、現在、医療費の患者負担は総額で5兆1837億円であり、かりに軍事費増額分の5兆円を医療費の患者負担増でまかなうとすれば、窓口負担が2倍になると告発。現役世代は3割から6割負担に、高齢者では2割から4割負担になるとして、「危機に乗じて9条を改定し、日本を『軍事対軍事』の危険な道に引き込み、暮らしをおしつぶす――こんな道は、平和の党・共産党を伸ばして、みんなの力でとめよう」と力を込めました。
次いで志位氏は、「暮らしがかかった選挙です」と強調。新自由主義を終わらせて、「やさしく強い経済」に大転換させようと訴え、五つの提案((1)消費税5%への緊急減税(2)政治の責任で「賃金が上がる国」にする(3)社会保障と教育予算を経済力にふさわしく充実する(4)気候危機打開の本気の取り組みを行う(5)ジェンダー平等の視点を貫く)を丁寧に語りました。
最後に志位氏は、参議院選挙にむけた党のポスターを掲げ、今年、日本共産党は創立100年になるとして、「『自由」と『平和』は、共産党の根本理念です」と強調。「戦前の軍国主義の下で、国民の自由を圧殺し、侵略戦争に突き進んだ暗い時代に、命がけで自由、平和を貫いた唯一の党が日本共産党です」と述べ、小林多喜二や野呂栄太郎、伊藤千代子らの先輩が命を落とす犠牲を払いながらも、それが戦後の憲法に実ったと指摘。さらに「将来にわたって、自由、民主主義、人権の制度を守り、発展させ、花開かせることを綱領で約束しています。平和の問題では、『核兵器のない世界』『戦争のない世界』を21世紀には、力をあわせて実現しようというのが、日本共産党の大目標です」と述べ、「『自由と平和。まっすぐつらぬく』――日本共産党を大躍進させてください」と訴えると、大きな拍手と歓声があがりました。
参加した女性は「軍事費が増えれば、暮らしが苦しくなるという話はその通り」と語りました。
志位氏は、福岡選挙区(改選数3)の、まじま省三予定候補について、衆院議員時代、国会で「賃金抑制の経団連の間違った方針をただすべきだ」と追及し、当時の麻生太郎財務相に「私もそう思う」との答弁を引き出したことを紹介し、「この大激戦を勝ち抜かせてほしい」と強調しました。
にひそうへい予定候補は「“国連憲章の平和の秩序を取り戻し、平和を”の思いを反戦平和をつらぬいてきた共産党へ託し、国会で三たび働かせてほしい。危機に乗じて国連は無力、憲法は空想とあざ笑い改憲を狙う人たちに、3分の2以上を握らせるわけにはいかない」と訴えました。
まじま省三予定候補は「福岡県の労働者はコロナ危機と物価高で苦しんでいる。中小企業に思い切った支援をしながら、最低賃金を時給1500円に」と述べました。
北九州では9条の会・北九州憲法ネットの諸隈美波弁護士、福岡では市民連合ふくおかの片山純子事務局長が応援演説をしました。