2022年5月22日(日)
主張
参院選と憲法
9条いかし平和つくる政治を
参院選の公示(6月22日)まで1カ月です。今度の参院選は、ロシアによるウクライナ侵略の暴挙と、それに抗議する国際世論の広がりの中でたたかわれます。戦争と平和をめぐって、各政党の姿勢が鋭く問われる選挙です。
ウクライナ危機に便乗して大軍拡を公言し、憲法9条破壊を企てる岸田文雄政権や日本維新の会などに審判を下し、日本共産党の躍進で、9条をいかした平和外交を進める政治を実現していくことが重要になっています。
国連憲章守れの一点で
武力行使を禁止した国連憲章を踏みにじったプーチン政権によるウクライナ侵略をどう終わらせるのか。いま世界の熱い焦点です。
岸田首相は、国連憲章に基づき平和の秩序を回復するとは語らず、「価値観」を共有する米国など主要7カ国主導の秩序回復を前面に掲げています。特定の「価値観」を持ち込み、分断するやり方では世界の団結は乱れ、道理ある解決の道は開けません。
ロシアの暴挙をとめる最大の力は「侵略やめよ」「国連憲章守れ」の一点で世界が固く力を合わせ、国際世論でロシアを包囲することです。日本はそのために役割を発揮しなければなりません。
危機に乗じて岸田政権が、「戦争する国」づくりを加速させていることは極めて重大です。自民党は、「専守防衛」を投げ捨て、相手国の「指揮統制機能等」も攻撃対象にする「反撃能力」=「敵基地攻撃能力」の保有を求める提言をしています。軍事費を5年以内に国内総生産(GDP)比2%以上という大軍拡もたくらんでいます。この道を進めば、東アジアで「軍事対軍事」の危険な悪循環を加速させ、国民の暮らしは巨大な軍事費に押しつぶされてしまいます。
岸田首相は、9条に自衛隊を明記する自民党改憲案について、「極めて現代的な課題であり、早期の実現が求められる」と繰り返し、参院選は、改憲の「『力』を得るたたかい」(3月の自民党大会)と位置付けています。日本維新の会は参院選公約で、9条に「自衛隊を保持する」と書き込むことを検討しています。公明党や国民民主党は、改憲議論を加速させる立場を明確にしています。
参院選で、自民、公明、維新、国民民主による平和を壊す「翼賛体制」を許さない有権者の意思を示すことが不可欠です。
「核には核」で対抗する「核抑止」に首相らが固執していることは、唯一の戦争被爆国の国民の願いに反します。「核共有」の議論という危険な主張を掲げる維新は、被爆国の政党として失格です。「日本は核兵器禁止条約に参加せよ」の声を広げることが急務です。
現実的なビジョンを掲げ
政治の役割は、戦争を起こさないための外交に知恵と力を尽くすことです。徹底した対話で、平和と協調の地域をつくってきた東南アジア諸国連合(ASEAN)は、米国、中国、日本も参加した「東アジアサミット」という平和の枠組みを強化しています。日本共産党の「東アジアに平和をつくる外交ビジョン」はASEANと協力し、すでにある平和の枠組みを活用・強化するという現実的な提案です。この道こそが9条をいかした平和外交です。日本共産党の躍進で9条破壊を阻み、平和な未来を切りひらきましょう。