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2022年6月2日(木)

子いる世帯 3割困窮

沖縄県調査、コロナで悪化深刻

「行政支援など役割は大きい」

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(写真)沖縄子ども調査報告書を公表する玉城デニー知事=5月31日、沖縄県庁

 沖縄県は5月31日、子どもや保護者の生活実態や支援要望を把握・分析する「沖縄子ども調査」の2021年度の結果をまとめた報告書を公表しました。小学5年生と中学2年生がいる世帯のうち、困窮層が28・9%となり、県は「新型コロナウイルス感染症による経済状況の悪化の影響も考えられる」としています。

 調査対象は小学5年生と中学2年生の児童・生徒とその保護者。世帯人数と世帯収入から算出した等価可処分所得127万円未満の困窮層は、小学5年生がいる世帯で28・5%、中学2年生がいる世帯で29・2%でした。ひとり親の場合の困窮層の割合は、小5で68・9%、中2で66・4%に上りました。

 18年の前回調査よりも困窮層の割合が上昇しており、県は「コロナ禍が不安定な就労状況の人たちの生活を脅かし、格差や貧困の深化が危惧される」としています。

 コロナ禍の影響は貧困世帯で特に深刻で、コロナ感染拡大前(20年2月ごろ)と比べて収入が1割以上減ったのが、困窮層の小5で63・2%、中2で65・3%に上りました。等価可処分所得190・5万円以上の一般層(小5で26・6%、中2で25・4%)と比べると大きな差が出ています。

 過去1年間に、お金が足りずに必要とする食料が買えないことがあったと答えたのは、困窮層の小5で46・6%、中2で48・9%でした。

 調査分析を行った琉球大学の二宮元・教授は、子どもの貧困問題について、最低賃金の引き上げなどで収入の安定を図ることが必要だと強調。また、県内で実施されている未就学児への医療費窓口負担無料化が効果をあげていることが調査から分かったとして、「行政の支援・助成で家庭の費用負担をいかに軽減していくか。自治体の役割は大きい」と述べました。


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