2022年6月8日(水)
ウクライナ 性暴力124件
安保理会合 「氷山の一角」と報告
ロシアを非難
【ワシントン=島田峰隆】国連安全保障理事会は6日、ロシアが侵略を続けているウクライナで急増している性暴力や人身売買について公開会合を開きました。各国からは、性暴力や人身売買は国際法に違反する戦争犯罪であり、関係者に責任を取らせることが不可欠だとしてロシアを非難する発言が相次ぎました。
国連のパッテン事務総長特別代表(紛争下の性暴力担当)によると、ウクライナでは3日の時点で124件の性暴力被害が報告されています。被害者のうち100人近くが女性や少女です。パッテン氏は約680万人がウクライナ国外に避難するなか、性的搾取が目的のものを含めた人身売買の危険が「驚くほど鮮明に高まっている」と述べました。
また性暴力被害は表面に出にくいことから「被害件数は氷山の一角にすぎない」と懸念を表明。国際法やそれに基づく国連の諸決議は紛争下でのあらゆる形態の性暴力を禁止しているとし、国際社会に対しウクライナの惨状に直ちに対処するよう訴えました。
なお、ロシアのネベンジャ国連大使は、欧州連合のミシェル大統領によるロシア批判に反発して議場を退出しました。