2022年6月29日(水)
侵略は国連憲章違反
G7サミット閉幕 声明でロシア批判
【エルマウ=吉本博美】ドイツ南部のエルマウで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)は28日、3日間の討議を終えて閉幕しました。同日午前は、多国間主義の再構築などがテーマとなりました。
2日目の27日は、ウクライナのゼレンスキー大統領もオンライン参加した午後の討議を受けて、ウクライナ支援に関する声明を発表しました。「財政・人道・軍事・外交面での支援」とロシアへの「前例のない協調制裁」を継続する方針を明らかにしました。
声明では、ロシアに核兵器使用を自制するよう要求。ウクライナ侵略は国連憲章の重大な違反であり、法に基づく国際体制を損なうものだと明記しました。民間人が避難する学校や病院への攻撃、性暴力についても最も強い言葉で非難するとしました。
同日には、ゲスト国としてサミットに出席したインド、インドネシア(20カ国グループ〈G20〉議長国)、セネガル(アフリカ連合議長国)、南アフリカ、アルゼンチンの5カ国とG7の首脳が、民主主義に関する共同声明を発表しました。声明は、「民主主義国として法に基づく国際秩序を促進し、他国の領土保全と主権を尊重する」などと述べています。
この日の討議を終えてテレビ演説したドイツのショルツ首相は、これら5カ国がロシアによるウクライナ侵略に対して、欧米とは異なる立場をとっていることを認めつつ、「だからこそ話し合い、互いの意見を交換することが重要だ」と指摘。気候変動問題やエネルギー、飢餓などでも「開かれた建設的な討議」を行ったと述べました。