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2022年7月17日(日)

日米共同訓練が増加

ウクライナ侵略以降 中国を念頭

戦争回避は外交努力でこそ

 ロシアによるウクライナ侵略以降、日米共同訓練が増加傾向にあります。中国への軍事的な対抗や挑発を繰り返しており、緊張が高まっています。

 ウクライナ侵略が始まった2月下旬以降、特に海上自衛隊と米海軍との共同訓練が増えています。海自のホームページによると、3月は6回、4月は2回、5月は6回、6月は4回に上り、7月は15日までに4回実施。侵略前の1、2月は計4回でした。東・南シナ海や沖縄周辺での訓練が目立ち、対中国を念頭においた訓練とみられます。

 また、中国に対抗するための「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた連携を強化するため、米国以外との他国との共同訓練も顕著です。ウクライナ侵略以降で、ベトナム、シンガポール、タイ、フィリピンといった東南アジア諸国やフランス、スペイン、英国といった欧州、オーストラリア、インドなどと計19回実施。6月にはNATO軍との共同訓練を約4年ぶりに実施しました。

 また航空自衛隊も大規模な日米共同訓練を行っています。7月6、11、12日に太平洋や東シナ海で実施した訓練には、自衛隊機が延べ20機、米軍機が延べ32機参加。米軍岩国基地(山口県岩国市)に飛来しているF22やF35Aなどのステルス戦闘機は合わせて16機に上りました。

 岸田文雄首相は、6月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、中国を念頭に「ウクライナは明日の東アジアだ」とあおり、中国を包囲するためNATOとの軍事協力強化を表明。軍事費倍増や敵基地攻撃能力の保有など軍拡に前のめりで、中国に対して軍事的に対抗する姿勢を鮮明にしています。

 軍事に軍事で対抗すると軍拡競争に陥り、互いに挑発を繰り返せば、意図せず軍事的な衝突が発生する危険があります。戦争となった場合は、沖縄が戦場となり住民が犠牲となることは避けられません。戦争を回避する外交努力が不可欠です。


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