しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年7月23日(土)

「共同の抑止」明記

防衛白書 軍拡・「反撃能力」も

写真

(写真)2022年版防衛白書

 岸信夫防衛相は22日の閣議で、2022年版防衛白書を報告しました。別冊で「抑止力」について特集し、「強固な同盟により、第三国からの侵略に対し共同で抑止が可能だ」と明記。日本の大軍拡や敵基地攻撃能力の保有で軍事力を強化し、日米同盟を強化する狙いを鮮明にしました。

 白書はロシアによるウクライナ侵略に関する項目を新設し、ウクライナ侵略は「アジアを含む他の地域においても一方的な現状変更が認められるとの誤った含意を与えかねず、決して許すべきではない」と指摘。今後の見通しについては、「ロシアの中長期的な国力低下や周辺地域との軍事バランスの変化が生じる可能性がある」と分析。中ロの艦艇や爆撃機の共同行動が繰り返され、「さらに軍事的な連携を深める可能性もある」との認識を示しました。

 年末の国家安全保障戦略の改定に向けて政府が、軍事費の対国内総生産(GDP)比2%以上への増額を検討していることを踏まえ、軍事費に関する記述を拡充。国民1人あたりの軍事費を比較した表を新たに掲載して日本は他国より少額だと強調し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が24年までに対GDP比2%の国防支出の達成で合意していることなどに触れました。

 また、政府が保有を検討する「反撃能力」(敵基地攻撃能力)を初めて明記。日本が攻撃を受ける前に相手国を攻撃する同能力は「違憲」とされてきましたが、白書は「いわゆる『先制攻撃』は許されないとの考えに変更はない」と弁明しています。

 台湾海峡に関する記述を大幅に拡充。「台湾情勢の安定は、わが国の安全保障にとって重要であり、緊張感を持って注視する」と警戒感を示しました。

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設について、普天間基地(同県宜野湾市)の「継続的な使用を回避するための唯一の解決策」との考えに固執しました。


pageup