2022年8月3日(水)
「特別期間」を成功させ新しい前進を開始しよう
第6回中央委員会総会終わる
志位委員長が結語
日本共産党の第6回中央委員会総会は2日、前日に続いて党本部で行われ、幹部会報告についての討論を行った後、志位和夫委員長が結語を行い、「試練を乗り越えて、わが党の新しい前進の道を指し示す総会として大きく成功した」と述べました。第29回党大会の延期の提案を含め、幹部会報告、結語が圧倒的多数で採択されました。2日間の討論で60人が発言。全国で4万8439人が幹部会報告を視聴しました。(コミュニケ)
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志位氏は、参院選結果について「二重の大逆流」を全党の大奮闘によって押し返す過程での一断面ととらえると解明したことについて、「全国のみなさんのたたかいの実感とぴったり一致する解明として深く受け止められた」と指摘。「政治論戦における全党の勇気ある大奮闘が、世界と日本の平和にとっていかに大きな意義をもつかについて、深く確信をもつことは、“がっかり感”を“元気”に変え、今後のたたかいに意気高くのぞむうえで極めて重要だ」と強調しました。
討論の中で、共産党の論戦が現実に情勢を変えていったことが報告されたと指摘。「選挙後もこの流れは続いている」として、日本世論調査会の調査では、戦争回避の手段として、「憲法を順守する」「平和外交に力を注ぐ」があわせて56%を占めたと紹介し、「『大軍拡でなく、外交で東アジアに平和を』という訴えは、当初は共産党だけだったが、全党の奮闘が国民世論を変え、今も生きた力を発揮している」と強調しました。
あわせて討論で、投票日前日に政界の重鎮が、「選挙結果は厳しいものになるかもしれないが、がっかりしてはだめだ。政治にとって一番大事なのは、重要な局面でどのような主張、論戦をしたかだ。しかし、正しい論戦をしたからといって選挙結果にすぐあらわれるとも限らない。この正しい論戦はその後の政治に必ず生きてくる。正しい論戦は組織を強くする」と語ったことが紹介されたとして、「わが党の論戦も、全党の奮闘も、今後の政治に必ず生きてくるし、すでに生きているという確信をもって奮闘しよう」と呼びかけました。
また志位氏は、ウクライナ侵略に対してバイデン米大統領が「民主主義対専制主義のたたかい」と打ち出したことに、日本共産党が世界を分断する軍事ブロック的対応の有害性を批判し、やがて世界の良識ある人たちから共通して語られるようになったと指摘。「これらは、党綱領にもとづく世界論、『国連憲章にもとづく平和秩序』という国際連帯の大方向が、世界の良識の声とも響き合い、世界に通用することを示すものではないか」と述べました。
同時に、東京都党組織ではロシアの侵略開始直後、「支部の人たちが外に出られなくなっている」という状況だったが、この大逆流を押し返す都党組織の大奮闘によって、最後は「出される疑問は一つ残らず答えられる」と変化したことが討論で語られたことを指摘。「この大奮闘こそが、山添候補勝利の道を開いた根本の力となった」と強調し、「『二重の大逆流』とのたたかいの先駆的意義――全国の大奮闘の意義を、さまざまな角度からつかんで、今後のたたかいに意気高くのぞもう」と訴えました。
次いで志位氏は、4月7日の幹部会報告で日本共産党の自衛隊政策に言及したことについて、「何でこの時期に述べたのか」などの疑問が出されたことについて、外交の力で東アジアに平和をつくる「外交ビジョン」を前面に押し出すことを重ねて強調しつつ、「国民の中から疑問が出されるからであり、この疑問に答える力をもってこそ、わが党の安全保障政策が本当に力あるものになるからだ」と指摘。これに明確に答えてこそ、国民にも安心してもらえ、党員の側もどんな疑問が出ても答えられ、「安心して対話に踏み出せる」と述べました。「4月7日での幹部会報告でのこの表明は、大逆流を押し返すうえでの重要な力となった」と強調しました。
その上で「もう一つ強調したいのは、この道でこそ、改憲勢力の激しい攻撃から9条を守り抜けるということだ」と指摘。共産党の自衛隊政策に、広い国民の理解と共感を得ることは、当面の憲法闘争でも、綱領路線の実現にとっても避けてとおれないとして、「それを語る力を身につけることを心から訴えたい」と述べました。
志位氏は、幹部会報告で、内外情勢と共産党の任務に関わって、「大いに意気高く、攻めに攻めて、政治を変える太い国民的な流れをつくろう」と呼びかけたことが、勇気を広げていると指摘。岸田政権の危機は深刻だとして、コロナ対応の無策、安倍元首相の「国葬」強行、旧統一協会と自民党の癒着という新たな3点セットが批判の中心になり、支持率が急落しているとして、「『攻めに攻めて』、岸田政権を追い詰め、政治の転換を求める大きな流れをつくろう」と訴えました。
またNPT(核不拡散条約)再検討会議に参加している笠井亮衆院議員から「核保有国と『核の傘』のもとにある国々がいっそう追い詰められていると感じる」との報告が寄せられたことに触れた上で、岸田文雄首相の演説は、この流れに逆行するものだと批判。「NPT再検討会議でも、日本共産党と、日本政府のどちらが、世界の本流に立っているかは明らかだ」と強調しました。
市民と野党の共闘にかかわって、3点にわたって率直な問題提起をしたことに触れて、これまで他の野党の対応に問題点があっても、内部的な批判や指摘にとどめ、公にすることを自制してきたとして、「これからは大いに公で議論していきたい。一致点で、力を合わせることと、率直な批判は、決して矛盾するものではない。問題点を率直に批判してこそ、妨害をはねのけ、共闘の道を前進させることができる。この立場で奮闘したい」と述べました。
「特別期間」について、志位氏は、第一の意義に「党づくりの遅れの抜本的打開」を据えていることを深くつかんでほしいと強調。「特別期間」の目的は、統一地方選の勝利だけでなく、その先の総選挙、参院選などの勝利にとっても、綱領路線の実現を展望しても、党づくりの遅れの抜本的打開を第一の意義にしていると述べました。
第二に、なぜ「特別期間」かについて、「党建設の抜本的前進と、統一地方選をやりぬこうとすれば、期間を決めて目標をやりきることがどうしても必要だ」と述べました。
第三に、「特別期間」の三つの課題――党勢拡大、選挙活動、要求運動等にしたことに歓迎の声が寄せられたと指摘。国民要求にもとづく運動は、国民の苦難軽減という党の存在意義にたった活動であると同時に、要求運動、「集い」、学習にとりくむことは、党が結びつきを広げ、新鮮な活力を得て前進する源泉になると述べました。
その上で、討論では世代的継承の豊かな可能性が報告され、民青同盟が、いま「法則的な前進」を開始しつつあるとして、要求にもとづく運動で結び付きを広げ、学習し、班会議を定期的に開いて、仲間を増やし、選挙をともにたたかったと指摘。「『法則的な前進』を本格的な軌道にのせるならば、わが党にとっても巨大な未来が開けてくる。そのために力をつくそう」と訴え。また真ん中世代のとりくみでも、共通する教訓は系統的なとりくみだと述べました。
最後に志位氏は、党を創立して100年、日本共産党が民主主義革命と社会主義的変革を目標とする革命政党であることを強調。「いまの政治、社会を根底から変革する志をもっているからこそ、つねに激しい攻撃がある。わが党にとって、順風満帆な時はひと時としてないが、攻撃はわが党が革命政党であることの証しだ」と述べ、党の前進のために、綱領と科学的社会主義、歴史、6中総決定を学ぼうと呼びかけました。