2022年8月10日(水)
子育て困窮世帯 深刻
「収入減ったまま」 5割
NPO調査
子どもの学習支援や食料支援などに取り組む、認定NPO法人「キッズドア」は、子育て困窮世帯の緊急アンケートを行い、8日、結果を公表しました。新型コロナ感染症流行前と比べて収入が減った世帯は7割、今も収入が減ったままだという世帯が5割に上り、子育て困窮世帯に深刻な状況がつづいていることが明らかになりました。
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調査対象は、キッズドアの今夏の食料支援に申し込んだ世帯。7月5日から1週間で2084件の回答が寄せられました。母子世帯が87%、世帯年収200万円未満が57%、半数以上が非正規雇用でした。
夏休み中に、旅行や帰省、地域の夏祭りなどの予定が「特になし」という回答が49%となり、子どもの「経験格差」も浮き彫りにしました。
同日、厚生労働省で会見したキッズドアの渡辺由美子理事長は「過去最高利益をあげる企業がある一方、苦しい人たちはものすごく苦しい」「かつてなく深刻な状況が続いている」「今すぐ支援を」と発言。政府がとる対策として、▽子ども関連予算を優先的に確保する▽児童手当を高校生まで延長するなど高校生を持つ家庭への支援を強化する▽コロナで収入が減った家庭へ継続的支援をする▽子育て家庭のデジタル格差を是正する―ことなどが必要だと訴えました。
1254件の自由記述がありました。物価高が生活を圧迫しエアコン使用もためらう、コロナに感染し仕事を失ったなど悲痛な声が並びました。
アンケートの自由記述に寄せられた声
▼コロナ禍で失業して以来、短期の派遣をつないで生活をしています。生活が安定せずに毎日が不安です。
▼今日、コロナ感染しました。来月のお給料はないに等しい。
▼物価高騰により生活が苦しくなった。電気代の値上がりは本当に苦しい。
▼収入は増えないのに物価はどんどん上がっていくので、食事の質がかなり落ちました。衣料品はまったく買えません。子どもは高校2年生ですが修学旅行にも行けません。
▼介護職パート。とにかく働いても働いても収入にならないです。賃金が上がっているのは正社員のみ。