2022年8月17日(水)
徹底追及 統一協会
関連行事 沖縄知事選候補・佐喜真氏 8回も参加
会長の講演会にも出向く
沖縄県知事選(25日告示、9月11日投票)に立候補する佐喜真淳(さきま・あつし)前宜野湾市長(58)=自民、公明推薦=が2019年7月から21年4月にかけて計8回、統一協会(世界平和統一家庭連合)や関連団体の行事に参加していたことが分かりました。霊感商法や高額献金で深刻な被害をもたらしてきた協会側と政治家が親密な関係をもつことは“広告塔”の役割を果たすことになります。道義的責任が厳しく問われます。(統一協会取材班)
本紙は佐喜真氏が19年9月29日、台湾北西部の桃園市で統一協会が開催した「祝福式」に参加していたことを報じました。同氏は「統一協会だという認識はなかった」「全く問題がない」と釈明していますが、ほかにも7回の行事に参加していました。
本紙が自民党員で統一協会のダミー団体が任命する「平和大使」だというA氏のフェイスブックを確認したところ、協会系の団体が開いた行事の様子が投稿されていました。
ダミー団体
これによると、佐喜真氏は19年7月15日、沖縄県内で開かれた2000人規模のイベント「平和と家庭の祭典」であいさつしました。会場のステージ横には、統一協会のダミー団体「真の家庭運動推進協議会」の旗が立てられていました。
同年には、協会系の団体でセミナー活動を行う人物が、同性婚を「伝統的結婚制度形骸化の危機」と批判する講演会(沖縄市)に出席。統一協会が推進する日韓トンネル構想の講演会(福岡県)に佐喜真氏が参加したという投稿もありました。
統一協会の沖縄代表が講師を務めた「家庭講演会」(20年1月5日)にも、佐喜真氏は複数の自民党議員と参加。A氏は「世界平和を目指している世界統一協会を認識しました。議員も、その意義に賛同し参加しています」と書き込み、佐喜真氏の横に座った写真を投稿しています。
A氏は、統一協会の徳野英治会長(当時)を迎えた講演会(同年1月11日)でも、スタンドマイクの前に立つ佐喜真氏の写真を投稿していました。
佐喜真氏は21年4月11日、県内で統一協会のダミー団体「世界平和連合」が「中国の脅威と共産主義による家庭破壊」と題して開いた講演会でも発言。インターネット上には、同じくダミー団体の沖縄県平和大使協議会の青年集会(同年1月8日)に佐喜真氏が講師として参加した記録もありました。
“お墨付き”
沖縄県内で霊感商法の被害相談に取り組んできた三宅俊司弁護士は「統一協会が複数のダミー団体を作っていることは一般的に知られている。行事に何度も参加して『統一協会だという認識はなかった』との主張はありえない」と指摘。「政治家が協力することで信者は社会的評価を得たと感じ、問題のない団体だと思わせることに利用する」と問題点を強調します。
本紙の取材にA氏は「統一協会の信者ではない」と否定し、その上で「市長時代から親しい佐喜真氏の選挙活動を手伝い、家庭講演会など協会系の行事でも何度か居合わせた。そうした行事に佐喜真氏を誘ったことはない」としています。
■統一協会やダミー団体と佐喜真淳氏の関わり
2019年7月 「平和と家庭の祭典」で来賓あいさつ(豊見城市)
9月 統一協会の「祝福式」で来賓あいさつ(台湾)
11月※ 同性婚に反対する講演会に参加(沖縄市)
12月※ 日韓トンネル推進の講演会に参加(福岡県)
2020年1月 統一協会・沖縄代表の講演会で来賓あいさつ(那覇市)
統一協会の会長を迎えた講演会であいさつ(豊見城市)
2021年1月 沖縄県平和大使協議会の青年集会に参加(沖縄県内)
4月 世界平和連合の講演会で発言(うるま市)
(※)A氏がフェイスブックに投稿した時期