2022年8月25日(木)
ウクライナ侵略半年
国外難民 665万人
長期化で摩擦も 支援策維持が課題
ロシア・プーチン政権が2月24日に国連憲章違反のウクライナ侵略を開始してから24日で半年の節目を迎えました。
国内避難660万人
ウクライナでは、31回目の独立記念日と重なりましたが、政府は大規模な集会を禁止し、ロシアによる新たな攻撃への厳戒態勢を敷いています。ゼレンスキー大統領は23日、「われわれは、わが国に対するもっとも深刻な脅威とたたかっており、大きな国民的団結を達成してきた」と述べるとともに、徹底抗戦を続ける構えを表明しました。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ウクライナ国外に逃れた難民は、17日時点で665万7918人。ウクライナの人口の約3分の1の人が国内外に逃れました。国内では660万人以上が避難民となっています。
国外への移動は1100万件記録されています。国内の家族や家の様子を案じ、国内に戻る動きも470万件超確認されました。近隣諸国で一時的な保護措置を受けた難民は約384万人となっています。
戦争の長期化と、食料やエネルギーの価格高騰とがあいまって、受け入れ国では支援策の維持が課題となっています。約11万人が到着した英国は3月、一般家庭への受け入れを促進するため、難民を6~12カ月受け入れた家庭に対し月350ポンド(約5万7000円)を支給することを決定しました。
しかし、英国家統計局(ONS)によると、制度を利用した家庭の4分の1が半年以上の継続を拒否しています。物価や電気料金の高騰のほか、文化の違いによる摩擦が原因とみられています。
この間に自立できず、国にも戻れない難民がホームレスになる恐れがあります。調査では10人に4人が、支援額が増額されれば、難民をより長期に受け入れる用意があると回答しています。