2022年9月14日(水)
徹底追及 統一協会
下村元文科相の講演会に関係団体9氏が54回
事務所作成の出欠表で判明
下村博文元文部科学相(自民党)の後援団体が2010年と12~14年に開催した講演会などの行事に、統一協会(世界平和統一家庭連合)の関係団体に所属する9人が合計54回出席したとされていることが13日、下村事務所の内部資料から分かりました。(統一協会取材班)
10年と12~14年
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内部資料は、下村事務所が作成した行事への出欠表です。「博友会」など下村氏の後援団体は、有料の講演会を年間6~7回ほど都内の高級ホテルで開催。これとは別に政治資金パーティーやクリスマス会を開いています。
会計責任者
出欠表によると4年で、統一協会の関連組織「世界平和連合」「世界戦略総合研究所」「世界日報」「世界平和女性連合」などに所属する計9人が、合計54回参加したことになっています。
▽10年は2人が計3回出席、▽12年は4人が計10回出席、▽13年は7人が計22回出席、▽14年には6人が計19回出席―となっています。
参加回数がもっとも多いのは「世界平和連合」所属のA氏で17回です。同氏は「国際勝共連合」の会計責任者でもあります。次に多いのは統一協会系の日刊紙「世界日報」政治部長だったB氏で14回となっています。地方で統一協会がすすめる家庭教育条例などについて講演しているC氏も、6回出席したことになっています。
60万円程度
内部資料にあった領収書によると、講演会の参加費は1回1万円。パーティーは1回2万円です。出欠表には金額が記されていませんが、統一協会関連組織に所属する9人から、同期間におおむね60万円程度の支払いがあったとみられます。
講演会に複数回出席したことがある女性は「会場は東京プリンスホテルで、下村氏か外部講師が講演する内容だった」と言います。
統一協会は下村氏が安倍晋三政権下で文科相だった2015年に、「世界基督教統一神霊協会」から「世界平和統一家庭連合」へ正式名称の変更を申請。文科省は「教義など団体の実体に変化がないと名前は変えられない」とする従来の方針を突然変えて、名称変更を認めました。
世界戦略総合研究所は本紙の取材に、同法人としてパーティー券を購入したことはないと回答。講演会への出席については事務局長が自費で1回参加したとしています。
下村氏に事実関係などについて質問しましたが、回答はありませんでした。
下村事務所の内部資料は、ジャーナリストの森功氏から提供をうけ、本紙が分析しました。