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2022年9月19日(月)

物価高に共産党は

学校給食費・エアコンなど光熱費…

負担軽減へ住民と奮闘

 深刻な物価高から暮らしをどう守るのか。小手先の対策に終始する岸田政権に対し、日本共産党は消費税減税など抜本的な対策を求めています。同時に全国の自治体で住民とともに負担軽減策の実現に取り組んでいます。(土屋知紀、藤原直)


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(写真)街頭で学校給食無料化に賛同を寄せ署名する市民=5月7日、青森市

 青森市は10月から、市内の小・中学生約1万8500人余を対象に給食費を無料にします。

 小・中学校ともに給食費の無償化は全国の中核市では初。物価高が暮らしを圧迫する中、党市議団と「学校給食の無料化をめざす青森市民の会」などが6400人を超える署名を集めるなど粘り強い運動を行いました。無償化の財源は、22年度分は国の地方創生臨時交付金で賄い、来年度以降は市の一般財源を充てる方針です。

困った人の一助

 鳥取県では、生活困窮世帯へのエアコンなどの光熱費の助成を市町村が実施した場合、基準額7000円の半額を県が負担する制度を7月に実施。県内19市町村すべてで助成が実現しました。県は22年度末までに再度実施する方針です。

 担当者は「今後も光熱費は下がることはないと見込んでいる。経済的に困った人の一助にしたい」と話します。

 日本共産党の市谷知子県議は、議会で物価高騰対策を繰り返し要求。5日にも予算要求書を提出し、対策を求めていました。

 7月に138世帯(生活保護、児童扶養手当、特別児童扶養手当、特別障害者手当の受給世帯が対象)に対し、住民の申請なしの「プッシュ型」で7000円を支給した鳥取県伯耆(ほうき)町(人口約1万人)では住民から「おかげで助かった」との声が寄せられています。

 同町ではまた、約3800の町内全世帯にガソリンや灯油などの購入やタクシーに使用できる2万円分の助成券(利用期限23年1月末)を配布。上・下水道の基本料金の減免も行い、住民から喜ばれています。ガソリン券の配布は、1、2回目は1万円分でしたが今回、引き上げました。

 これらの施策は、日本共産党の幅田ちふみ町議が、住民の要望を受け、議会で提案したり行政に要望書を出したりするなかで実現したものです。

要望書16回提出

 北海道函館市では、7月からほぼすべての市内の事業者(法人・個人)を対象に1事業者5万円を支給する「事業者物価高騰等緊急支援金」を実施しています。

 党函館地区新型コロナ対策本部の本間かつみ事務局長(道議予定候補)と党市議団らが、店舗を持たない小規模事業者らの実態をつぶさに調査。市議会で繰り返し質問し、16回の要望書を提出した結果実現した市独自の制度です。

 京都府長岡京市は、原油や物価高騰に対し1世帯あたり3000円、1世帯員あたり2000円を世帯主に給付します。例えば4人家族の場合、1万1000円支給されます(合計所得972万円未満世帯が対象)。2~4月までの物価高騰額を根拠としており、9月中旬から申請が始まっています。

 党市議団は7月、中小路健吾市長に市独自の物価高対策を求める緊急申し入れを行っていました。

物価対応 従来型どまりの岸田政権

消費税減税など本気の対策を

 政府が9日に決めた物価高に対する追加策は、9月末が期限となっていたガソリン補助金の延長や、さらなる値上がりが予想されていた輸入小麦の政府売り渡し価格の10月改定の見送り(来年4月の価格改定への先送り)など従来の対策の枠内にとどまっている施策ばかりです。

 毎月発表される全国消費者物価指数によると、電気代や都市ガス代は前年比で2割前後上昇しています。帝国データバンクの主要飲食料品メーカー調査によると、10月以降に値上げされる食料品は約7000品目にものぼり、年内では累計2万品目超、平均値上げ率は14%にも達するとされています。

 円安が急速に進むなか、「1ドル=145円の円安が続けば今年度家計負担増は8万円超」(みずほリサーチ&テクノロジーズの調査リポート)との試算も示されています。

 政府の対策がいまの物価高がもたらす生活苦を打開できる内容ではないことは明らかです。

 追加策を決めた政府の「物価・賃金・生活総合対策本部」に内閣府が提出した資料には、大企業の経常利益は「円安による押し上げもあり…過去最高水準に」なる一方で、「中小企業(の利益)は原料高の影響もあり減少」したと記述されています。さらに低所得者層が食費・光熱費がかさんで消費を削らざるをえなくなっている現状が示されています。続く輸入物価の上昇への「円安の影響は5割程度」にもなると指摘しています。

 ところが、岸田政権には、異常円安をもたらした「異次元の金融緩和」――アベノミクスへの反省は一切ありません。

 日本共産党は、いまの金融頼みの政策から、暮らしを応援して実体経済を良くすることを最優先にすえた経済政策への転換を強く求めています。

 政府の追加策では住民税非課税世帯への1世帯5万円の給付も打ち出していますが、対象が狭すぎます。日本共産党は先の参院選で、コロナ危機で収入が減った人、生活に困っている人に一律10万円を給付する特別給付金を提案しています。

 実質賃金は4月以降、前年同月比マイナスが続いており、政府が中小企業の賃上げを抜本的に支援し、最低賃金の大幅な引き上げをはかることが求められています。日本共産党は、その財源として大企業の内部留保への時限的な課税を提案しています。

 世界ではコロナ危機以降、97の国と地域が付加価値税(消費税)の減税に踏み切っています。

 一方、岸田政権はいまだに消費税の減税を拒否しています。物価高騰の中で強行した年金の6月支給分からの削減に続き、現在原則1割の75歳以上医療費窓口負担に、10月から2割負担を導入しようとしています。

 日本共産党は、社会保障の改悪を中止するとともに、生活や営業への一番の支援となる消費税の減税を実現するよう求めています。

 財源は、富裕層や大企業に応分の負担を求める改革などで十分にまかなえます。

 物価高から暮らしと営業を守るために、いまこそ本格的な対策が必要です。


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