2022年10月1日(土)
国連総長 ロシア非難
併合は憲章と国際法違反
「住民投票」“純粋な民意といえず”
【ワシントン=島田峰隆】グテレス国連事務総長は29日、ロシア政府がウクライナ東・南部4州の「編入条約」調印式を30日に行うと発表したことについて「併合を進めるいかなる決定も国際的な法的枠組みと両立しない。国連の目的と原則を侮辱している」と非難しました。国連本部での記者会見で述べました。
グテレス氏は「国連憲章は明確だ。武力の威嚇や行使によって他国の領土を併合することは国連憲章の原則と国際法に違反している」と指摘しました。
また国連安全保障理事会の五つの常任理事国の一つであるロシアには「国連憲章を尊重する特別の責任がある」と強調。「併合を進めるいかなる決定も法的価値を持たず、非難に値する」と指摘しました。
グテレス氏は、4州でのいわゆる「住民投票」について、ロシアの占領下で戦闘が行われているなかウクライナの法律や憲法の枠組みの外で実施されたとの認識を示し、「純粋な民意の表明とはいえない」と強調しました。
そのうえで「破滅的で意味のない戦争を終わらせ国連憲章と国際法を支持するよう協力しなければならない」と訴えました。