2022年10月2日(日)
安保理 「住民投票」非難決議
ロシアが拒否権行使
【ワシントン=石黒みずほ】国連安全保障理事会は9月30日、ウクライナ東・南部4州で親ロシア派が強行した「住民投票」を違法だとして非難する決議案を採決しましたが、ロシアが拒否権を行使し否決されました。
決議案は米国とアルバニアが取りまとめたもの。ロシアによるウクライナ領のいかなる変更も認めないことを各国に求め、ロシア軍に対しウクライナから無条件に即時撤退するよう要求しています。
理事国15カ国中10カ国が賛成しましたが、ロシアの拒否権発動により否決。中国、インド、ブラジル、ガボンは棄権しました。
採決に先立ち、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「全ての国の安全保障に関わることであり、私たちは国際的な平和と安全を維持するための集団としての責任がある」と強調し、各国に賛同を呼びかけ。ロシアのネベンジャ国連大使は「住民から圧倒的な支持が得られた。後戻りすることはない」と反発しました。
賛成した英国は、「ロシアは自らの違法な行いを擁護するために拒否権を悪用した」と非難しました。
棄権した中国は「全ての国の主権と領土保全は守られるべきだ」と述べつつも、「対立を悪化させるよりも危機的状況を和らげるべきだ」と主張しました。
米国は安保理での否決を受け、国連総会で同決議の採択を目指すと表明しています。