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2022年10月4日(火)

消費税使い2800病床削減

コロナ禍でも「医療費抑制ありき」

2021年度分 厚生労働省報告

 消費税を財源とする国の給付金を使って、新型コロナウイルス感染症対応の中心となる急性期病床などが、2021年度分で2770床の削減となったことが分かりました。厚生労働省が9月30日に開いた有識者会議で報告しました。コロナ禍のもとでも「医療費抑制ありき」の自公政権の姿勢が鮮明です。

 この給付金は、病床削減を進める「地域医療構想」の実現を狙った「病床機能再編支援」です。20年度に新設(当時は病床ダウンサイジング支援)され、コロナ禍の中でも21年度に予算を195億円に倍増。全額に国費で消費税財源を充てる仕組みとして改悪法に位置付けました。減床数に応じて1床あたり114万~228万円を支給し、医療機関を統廃合や病床削減へ誘導しています。

 厚労省が報告したのは21年度分の実績(計画分含む)です。急性期病床や長期入院向けの慢性期病床の計2770床の削減に対し、29都道府県120医療機関に57億9千万円を交付しました。

 20年度分の計2846床減・56億7千万円の交付と同程度ですが、物価高でも消費税減税を拒み、「消費税増税は社会保障のため」という説明とかけ離れた病床削減に突き進む政府の姿勢が、いっそう厳しく問われます。

 有識者会議で厚労省は22年度分の交付予定額も報告。計40億8千万円の予定額のうち大阪府が最も多い7億9千万円で、兵庫県の6億円、山口県の3億5千万円と続きます。全体の交付額はさらに増える見込みで、経団連の委員は「取り組みが非常に少ない」と述べ、統廃合の促進などを求めました。


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