2022年10月14日(金)
「併合」非難 最多143カ国
国連総会で決議採択
ロシアの孤立 いっそう
【ワシントン=島田峰隆】国連総会は12日の緊急特別会合で、ロシアがウクライナ東・南部4州で実施した「住民投票」とロシアへの併合について、違法であり無効だとする非難決議を143カ国の圧倒的な賛成多数で採択しました。賛成国数は3月初めの侵略非難決議(賛成141カ国)を上回り、ロシアの孤立の深まりを鮮明に示しました。
決議に反対したのは、ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、ニカラグア、シリアの5カ国、棄権は中国、インド、キューバなど35カ国でした。日本は賛成しました。ロシアが2月に始めたウクライナ侵略をめぐり国連総会が決議を上げるのは4回目。今回は過去最多の賛成国数となり、採択時には議場から大きな拍手が湧き起こりました。
「ウクライナの領土保全=国連憲章の原則の擁護」と題した決議は、欧州連合(EU)が作成を主導しました。
決議は、ロシアがウクライナ4州で行ったいわゆる「住民投票」は違法であり、併合の試みは「国際法上無効だ」と指摘。国連加盟国や国際機関に対してロシアによる4州の地位の変更を認めないよう求めています。併合の決定は国連憲章の原則と両立しないとして、ロシアに対して決定を即時かつ無条件に撤回するよう要求。ウクライナ領内からの軍撤退も求めています。
決議は、国連事務総長や加盟国、欧州安全保障協力機構(OSCE)などの国際・地域機関に対し、「ウクライナの主権と領土保全を尊重しつつ、現下の情勢の緊張緩和、政治的対話、交渉、調停およびその他の平和的手段による平和的解決」を求めました。