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2022年11月6日(日)

主張

山際氏 党役職就任

首相はどこまで無反省なのか

 統一協会との密接な関係が次々判明し閣僚を辞めたばかりの山際大志郎前経済再生担当相が自民党のコロナ対策の本部長に起用され、国民の批判を集めています。「記憶にない」などと関係の隠ぺいと言い逃れを続けた山際氏を党の役職に就けたことは、岸田文雄政権の無反省さを示しています。複数の副大臣らをめぐり統一協会とただならない接点があったことも判明し、癒着は底なしです。それにもかかわらず、首相は政府としても党としても責任ある調査を拒み続けています。解明に背を向け、いくら「関係を断つ」といっても説得力はありません。

副大臣らの疑惑も底なし

 山際氏が自民党新型コロナウイルス等感染症対策本部長に就任したのは10月28日です。閣僚を辞任したのは直前の24日です。11月4日の国会で首相は「人物の経歴、経験を踏まえて総合的に判断した」と述べ、問題ないとの認識を示しました。国民の感覚とあまりにかけ離れています。

 山際氏が怒りを買ったのは、統一協会の韓鶴子総裁らとの親密さが問われただけでなく、外部から指摘されるまで事実を認めない不誠実な態度をとったためです。説明責任を果たさず信頼を失い、閣僚が務まらなかった山際氏をコロナ対策という国民の命と健康に関わるポストにあてたことに自民党内からも疑問が出ています。「日経」世論調査(10月31日付)では、統一協会との関係を十分説明しない閣僚・党幹部は「辞任すべきだ」が51%で「辞任の必要ない」38%を上回りました。民意に逆らう政権の姿勢は重大です。

 本紙日曜版が10月23日号から3週連続で追及している井野俊郎防衛副大臣の統一協会との癒着も深刻です。政治資金集めパーティーの券購入などをしてもらい、法務政務官だった2016年には、統一協会関係者を法務省などに招いていました。同協会関係者が多く加わる後援会も今年8月の防衛副大臣任命後も、発覚するまで存続させていました。「任命以降、接点が見つかったならば、閣僚をはじめそれぞれの役を辞めてもらう」(10月20日、岸田首相)との言明に照らせば副大臣にとどまれない事態です。曖昧にできません。

 大串正樹デジタル担当副大臣と山田賢司外務副大臣は、統一協会側が昨年の総選挙の際に示した「推薦確認書」に署名したことをそれぞれ認めました。木原誠二内閣官房副長官も昨年の総選挙で同協会の関連団体から推薦状を受けとっていました。

 事実上の政策協定である推薦確認書などについて自民党は点検を求めていません。しかし、「共同」世論調査(10月31日付)では、「推薦確認書の実態を自民党は調べるべきだ」が82・4%に達しました。「党の政策に反していなければ、選挙で猫の手も借りたいような議員はサインする」(世耕弘成・自民党参院幹事長、同26日のテレビ番組)などと開き直るのは許されません。

きっぱり断ち切るために

 反社会的活動が司法で何度も断罪されてきた統一協会と政界の癒着を今こそきっぱり断ち切らなければなりません。これまでの癒着を洗いざらい調査し、公表することが不可欠です。それができない岸田首相と自民党には政権を担う資格そのものが問われます。


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