2022年11月18日(金)
オーストリア共産党と緒方副委員長が会談
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日本共産党の緒方靖夫副委員長は小島良一国際委員会委員とともに、16日、オーストリア共産党本部で、全国指導部のカテリーナ・アナスタシア氏(国際担当)、トビアス・シュワイガー氏(選挙担当)と会談しました。
双方は、ウクライナ戦争を口実にした日本や欧州での軍拡の動きや極右勢力の台頭について意見交換し、国連憲章に基づく平和の国際秩序の擁護、軍事ブロック反対などで協力強化を確認しました。
アナスタシア氏は、ウクライナ戦争の影響による生活困難、新自由主義政策の下で進んだ欧州の東西分断と格差の拡大、大量の難民・移民が、プーチン大統領による極右テコ入れもあり、極右勢力の台頭の背景となっていると指摘しました。
同時に、オーストリアではナチのスローガンやシンボルの使用は法律で禁止されていると述べ、緒方氏が自民党内などでの侵略戦争賛美・肯定の動きを紹介したことに対し「日本では法的に禁止されていないのか」と驚きを表明しました。
1955年の憲法上の永世中立宣言について同氏は、45~47年に政権参加したオーストリア共産党も積極的に推進したことを紹介。反核兵器や脱原発を定めた憲法条項に国民の広い支持があり、とりわけ核兵器禁止条約を推進する政府の積極的な姿勢に対しては、同党を含め国民の圧倒的支持があると述べました。また日本政府が北大西洋条約機構(NATO)への関与を強めているとの緒方氏の発言に、NATOの「世界の警察化」の動きに対応して協力の必要性を強調しました。
シュワイガー氏は、グラーツでの取り組みも例に挙げながら、住宅問題で徹底して国民の利益を擁護する運動を進めていることを選挙闘争の一端として紹介しました。
欧州シンクタンク理事と会談
緒方氏一行は同日、ウィーン市庁舎で欧州23カ国の約40の進歩的な研究機関を結集する欧州左翼党のシンクタンク「トランスフォーム欧州」の理事(元理事長)ワルター・バイアー氏と会談しました。
両者は、ウクライナ戦争などをめぐる国際情勢や、欧州と日本の政治情勢、そのもとでの左翼勢力の取り組みについて意見を交換するとともに、相互の関係の緊密化を確認しました。
オーストリア共産党議長を務めたバイアー氏は、1968年のチェコ事件を当初批判した同党が、ソ連の圧力に屈して追随し党勢を後退させた痛苦の経験とその後の党刷新により自主的立場に至る経過を語りました。