2022年12月13日(火)
欧州左翼各党と日本共産党会談
スペイン「統一左翼」
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【ウィーン=吉本博美】日本共産党の緒方靖夫副委員長・国際委員会責任者は欧州左翼党大会(ウィーン)の会場内で9日、スペイン共産党を中核とする「統一左翼」のシラ・レゴ欧州議会議員と会談しました。国内情勢や双方の活動について意見交換し、両党関係を強めることを確認しました。
統一左翼は新興政党ポデモスとともに選挙連合ウニダス・ポデモスを結成し、2016年の国政選挙で躍進。19年の選挙では後退しましたが、20年には中道左派の社会労働党との連立政権を発足させました。
レゴ氏は、燃料費をはじめ物価の高騰が人々の生活を圧迫する一方、多国籍大企業が巨大な超過利潤を得ていることから「社会の構造変化が必要」だと強調。ジェンダー問題では、モンテロ平等相が極右勢力からの攻撃や巻き返しに抗しながら、市民と女性の権利拡大に向けて奮闘していると紹介しました。
緒方氏は、ロシアのウクライナ侵略を契機に各国で強まる軍拡・軍事予算増額の流れについて、欧州の左翼と日本共産党がともに反対していこうと述べ、在日米軍基地に反対する日本共産党の活動も紹介。レゴ氏は、閣内でサンチェス首相(社会労働党)が主張する軍拡に、統一左翼が歯止めをかける役割を果たしていることも説明しました。
レゴ氏は、党内で日本共産党の公式キャラクター「雇用のヨーコ」が反響を呼んでいると、19年の参院選時の動画をスマートフォンで示しながら話しました。政策宣伝の分野でも両党の経験を交流していきたいと述べました。
懇談には統一左翼のジョン・ロドリゲス国際部長、日本共産党の田川実国際委員会事務局長が参加しました。
ギリシャ「SYRIZA」
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【ウィーン=吉本博美】欧州左翼党第7回大会に出席した日本共産党代表団は、10日、ウィーンの会場内でギリシャの前与党・急進左派連合「SYRIZA」代表団と会談しました。両党の関係強化を合意し、それぞれ地域と党活動について意見交換しました。
緒方靖夫副委員長は、ウクライナ侵略を契機に軍拡が推し進められ、国民生活への予算が一層圧迫されようとしており、軍事費増額に反対する運動を展開していると述べました。民青同盟が行う学生向けの食料支援も紹介しました。
SYRIZAのコルツィーダ国際部長は、日本共産党と市民運動が展開する在日米軍への抗議運動に敬意を表明。「平和な国際秩序に向けた連携を大切にしたい」と話しました。
ボウンナス国会議員は、ギリシャ国内での食品と燃料費の値上げが貧困層の生活を直撃していると報告。フードバンクなど全国のNPOなどと連携し生活支援を行っていることを紹介しました。
双方は、ロシアのウクライナ侵略反対とともに、ブロック政治による世界の分断への反対についても話し合いました。
懇談にはSYRIZAからバシリアジス副書記長、カトルガロス国会議員、スビグー中央委員会書記局員、日本共産党から田川実国際委員会事務局長が出席しました。
英労働党コービン氏と懇談
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【ウィーン=吉本博美】欧州左翼党大会に出席した日本共産党の緒方靖夫副委員長は11日、ウィーンの会場内で、ゲスト参加した英労働党のジェレミー・コービン前党首と懇談しました。
緒方氏は、コービン氏が党首時代に新設した「影の内閣」平和・軍縮相のファビアン・ハミルトン下院議員と、核兵器禁止条約を採択した2017年の国連会議で非常に充実した交流ができたと紹介。「核兵器のない世界」に向けた運動をともに前進させようと話しました。コービン氏は笑顔で謝意を表しました。
同氏は大会最終日の同日に演説し、ロシアのウクライナ侵略を糾弾。英国政府が軍拡や、核兵器強化のためばく大な予算をつぎ込むことから、国民生活の貧困化が進んでいるとも批判しました。
19年の総選挙での英労働党の敗北について「選挙後も若者が変革の運動に参加し続けているのは希望だ」と指摘。「将来世代のために左翼・社会主義者は連帯し、平和で格差のない社会を実現しよう」と訴え、大きな拍手が湧き起こりました。