2022年12月27日(火)
新型コロナ感染第8波から国民の命を守る対策の強化を求める
12月26日 日本共産党国会議員団
日本共産党の小池晃書記局長が26日の記者会見で発表した「新型コロナ感染第8波から国民の命を守る対策の強化を求める」と題する要請書の全文は次の通りです。
新型コロナ第8波によって、医療の逼迫(ひっぱく)が深刻となっている。高齢者施設のクラスター発生件数、死亡者数は第7波に迫っており、救急搬送困難事例も急増している。これまで、医療体制の確保、介護施設への支援策、検査の拡充など要請を重ねてきたが、改めて、高齢者をはじめ国民の命を守るため、以下の対策を要請する。
1.新型コロナは、感染者数・死亡者数の多さ、後遺症の深刻さなどからも、引き続き警戒を強めることが必要である。しかし、政府から新型コロナ感染に関する情報が全く伝わらない状況が続いている。第8波の感染状況について、医療機関、介護施設の実態を含めて、国民に対する情報発信を抜本的に強化すること。
2.病床のさらなる確保のため、病床確保助成(初期費用等)を地方自治体独自の判断で行えるようにするなど、新型コロナ対応医療交付金を地方独自の感染予防対策・医療提供体制確保に柔軟に使えるようにすること。
3.発熱外来に対する体制確保補助金が3月末で打ち切られ、検査費用等の診療報酬も縮小及び要件の厳格化が行われている。大阪府など一部の地域では、年末年始の臨時体制が確保できない事態も生まれている。
発熱患者の受け入れを多くの医療機関に行ってもらうために、これまでの財政措置の復活も含め、発熱患者の受け入れに伴う助成や診療報酬を手厚くすること。特に高齢者など重症化リスクの高い発熱患者が、早期に確実に受診できる体制を構築すること。
4.高齢者の有症状患者の入院などを積極的に進めること。これはクラスターが多く発生している高齢者施設の感染予防対策としても重要である。
高齢者に特化した療養施設、臨時の医療機関の開設などを積極的に進め、稼働病床の拡大も含めた積極的な受け入れ体制の強化を進めること。
高齢者施設にとどまることを余儀なくされた場合にも、抗ウイルス薬の適切な処方など早期治療が行えるよう対策を強めること。
5.高齢者施設の感染予防とクラスター発生への対応について、支援を強化すること。
PPEやN95マスクの提供、ゾーニングおよびPPE装着による職員の稼働可能時間数の減少をふまえた支援単価・上限の引き上げ、クラスター発生による減収に対する補填(ほてん)、また施設の換気・空気清浄装置の設置へのさらなる支援を行うこと。
6.政府は、大軍拡のために国立病院機構(NHO)などの積立金の返却を求めた。NHOなど独法病院は新型コロナウイルス感染症医療の中核を担っており、医師・看護師の体制強化と処遇改善こそが求められる。大軍拡をただちにやめ、新型コロナウイルス感染症対応に医療機関が全力を注げるようにすべきである。
7.年末年始の生活困窮者に対する支援として、臨時の宿泊場所、食料等の支援、相談体制の強化などを行うこと。生活保護を必要とする人に申請の権利を保障し、すみやかな対応を行うこと。