2023年2月2日(木)
軍事費に国債あてるな
宮本氏 戦争への道 歴史の教訓
衆院予算委
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日本共産党の宮本徹議員は1日の衆院予算委員会で、岸田文雄首相が国民のくらしを支える予算を大軍拡の財源に転用しようとしていることを厳しく批判しました。
大軍拡の財源として狙われているのは年金、医療などの社会保障財源にとどまりません。宮本氏は、2022年の中小企業の休廃業・解散は過去2番目の高水準にあり、コロナ禍のもとでの融資への返済が始まるところに物価高に見舞われるなど苦境に追い込まれていると指摘。しかし政府は、コロナ禍で中小企業の資金繰りに対応する実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の基金2000億円まで軍拡財源に充てようとしているとして、「ゼロゼロ融資の基金の残金を苦境にあえぐ中小企業に回すべきではないか」「中小企業の予算を減らしながら、大軍拡優先に回すのはおかしい」と強調しました。
西村康稔経済産業相は「コロナ借り換え保証の運用を開始するなど、引き続き万全を期していく」などとしか答えませんでした。
さらに政府は、戦後初めて、軍事費のための約4343億円の建設国債発行をしようとしています。宮本氏は、財政法4条は公共事業費、出資金、貸付金を除き国債発行を禁じていると強調。同法制定時の逐条解説では4条について、「財政を通じて戦争危険の防止を狙いとしている」「我が国の歴史を観ても公債なくして戦争の計画遂行の不可能であったこと」としていることを挙げ、「同法の立法趣旨からいって、軍事費に建設国債を充てることは許されない」と追及しました。
首相は、「海上保安庁の船舶や空港港湾等の公共インフラの整備が建設国債発行の対象だ」などと発言。軍拡整備を公共インフラだと正当化しました。
宮本氏は、「軍事費のための国債発行は、戦争につながるのが歴史の教訓だ」と強調。戦時中の大量国債発行がもたらした激しいインフレ(物価高騰)に国民が苦しんだ歴史に触れ、「『財源を将来世代に先送りすることなく』と首相は言うが、言っていることとやっていることが違う」と批判しました。