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2023年5月6日(土)

コロナ対応 看護職新制度「見直しを」

民医連アンケート 現場は混乱

グラフ

 新型コロナウイルス対応などで一定の役割を担う病院に勤務する看護職員の処遇改善を目的に、国は昨年10月から診療報酬に「看護職員処遇改善評価料」を新設しました。対象が限られていることに批判が出ています。全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)の調査で、現場の状況などが明らかになりました。

 「評価料」の対象は、就業中の看護職員約168万人のうち33%程度(約57万人)に限られています。

 全日本民医連は2月17日~3月末、医療機関や介護施設、訪問看護ステーションなどの看護管理責任者を対象に、調査を実施。35都道府県696事業所が回答しました。

 「評価料」への対応について、「対象病院であり、届け出を行った」施設は155件で、全672件の23%でした。「対象病院だが届け出をしていない」(13件)、「対象病院・事業所ではない」(372件)、「対象ではないが、独自に賃上げを行った」(43件)でした。

 この制度について回答した670件のうち、「評価する」としたのは25%、「評価するが問題・課題がある」は66%、「評価しない」は9%でした。(グラフ)

 「制度を評価するが問題がある」、または「評価しない」と回答した504件には、問題点・課題を質問。複数回答で、「対象外の看護師への処遇が改善されていない」との答えが8割、「同じ看護師なのに平等性に欠ける」が7割、「対象外のため、今後看護師の確保が困難になる」は3割でした。

 現場からは「高齢化が進み、今の施設基準内の看護要員では安全が守れず、職員の疲弊も蓄積する一方」「医師の働き方改革で看護師への業務負担が一段と多くなり、非常に多忙」など、人員増を求める痛切な声が寄せられました。

 今後要望したいこととして、「対象の医療機関・施設の拡大」、「看護職員数の増員がはかれる診療報酬の改善」、「診療報酬ではなく、抜本的な処遇改善の見直し」、「対象職種の拡大」などがあがっています。

 全日本民医連は「この制度が現場に矛盾と混乱を広げていることが明らかになった。見直しを求めていく」としています。


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