2024年2月24日(土)
ウクライナ侵略2年
4人に1人国内外避難
高齢者や障害者、困難続く
【ベルリン=吉本博美】ロシアがウクライナ侵略を開始して24日で2年が経過します。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、1月時点でウクライナの国内避難民は約370万人。国外に逃れた難民は約647万9700人と、合わせて国民の約4分の1が家を追われています。
ロシアはウクライナの市民や民間施設に対する国際法違反の攻撃をつづけています。3月に大統領選を控えるプーチン大統領は、戦闘がこう着するウクライナ東部で成果を上げようと攻勢をかけています。20日には激戦地だった東部アウディーイウカの掌握を「重要な戦果だ」として、ウクライナ侵略を継続する姿勢を示しました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は反転攻勢のため米国や欧州連合(EU)に対し迅速な支援を提供するよう求めています。
EUの加盟国首脳は今月初旬に「ウクライナへの連帯」を表明し約500億ユーロ(約8兆円)の追加支援を決定。ウクライナ難民に対しても、避難受け入れ国先での就労や社会保障の権利を保障する「一時保護指令」を2025年3月まで延長すると決定しました。
これを受けてUNHCRは難民の人道支援について「全体として顕著な進展がみられる」と評価する一方、高齢者や障害者など「特定の支援が必要な人々には困難な状況が続く」と指摘しました。さらに難民の8割が女性や子どもであることから、ジェンダーに基づく暴力や性的搾取と虐待、人身売買の防止が課題だとしています。