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2024年2月24日(土)

主張

ロシアの侵略2年

「国連憲章守れ」での団結こそ

 ロシアがウクライナへの侵略戦争を開始して24日で2年になりました。プーチン政権は、撤退を求める国際社会の声を無視して侵略を続けています。ロシア国内では、反戦デモを呼びかけていた、反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の獄死を機に、追悼や抗議が広がっています。侵略をやめない限り、ロシアは世界でますます孤立し、国内でも矛盾を深めざるをえません。国連総会が4度にわたって決議した、即時、完全、無条件撤退を直ちに実行すべきです。

ナワリヌイ氏追悼広がる

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、国外に逃れたウクライナ国民は約648万人(2月15日時点)、国内で避難する人は推定369万人(2023年末時点)です。人口の4分の1にあたる約1千万人が避難生活を強いられています。

 他国への侵略は、国連憲章と国際法が定めた、主権と領土保全の尊重の原則を踏みにじる暴挙です。国連安全保障理事会で拒否権を持つ常任理事国が侵略戦争を引き起こす重大な事態に対して、国連総会は圧倒的多数の賛成で、ロシアの侵略を国連憲章違反として非難し、撤退を求めました。大国による国連憲章蹂躙(じゅうりん)が許されないことを国際社会の意思として突きつけたことは画期的です。

 ロシアに侵略戦争をやめさせるとともに、二度と侵略を行わない保障を築くことが不可欠です。そのためにも、他国への侵略や武力行使を禁じた国連憲章に基づいて解決を図らなければなりません。

 16日に死亡が発表されたナワリヌイ氏は、プーチン政権下での不公正な選挙や汚職を批判し、何度も当局に身柄を拘束されました。何者かに毒を盛られたこともあります。ドイツで毒物中毒の治療を受けた後、21年1月に帰国し、過去に受けた刑罰の執行猶予取り消しで収監されました。23年8月には「過激派組織の創設」などで、新たに禁錮19年の長期刑を言い渡されました。

 獄中でもSNSを通じてウクライナ侵略を批判し、プーチン政権に反対して立ち上がるよう国民に訴えていました。北極圏の刑務所に移送されたことが昨年末、分かりました。今回の死について殺害を疑う声が上がっています。国連のグテレス事務総長はロシア政府に透明性ある調査を求めました。

 言論による政府批判に刑罰を加えることは、ロシアも批准した国際人権規約に反する弾圧です。ロシア政府はナワリヌイ氏の死に責任を負っています。死因など事実を明らかにする義務があります。

 ロシアでは3月に大統領選挙が実施されます。現職のプーチン氏が立候補を表明しています。戦争に反対する政治家は選挙管理委員会に立候補を拒否されました。公正と程遠い選挙です。

即時撤退の声をさらに

 言論弾圧によって政権批判を締め付けても、国民を黙らせることはできません。戦争に民間人を動員するために発せられた動員令はロシア国民の犠牲を増やしています。厳しい弾圧下で、ナワリヌイ氏追悼の動きが起きているのは、政権への抗議のあらわれです。

 ロシアの反戦の声とも連帯し「侵略をやめ撤退せよ」「国連憲章を守れ」の一点で世界に団結を広げていくことが何よりも求められています。


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