しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年3月9日(土)

大規模備蓄は国の責務

能登地震 井上氏「TKB48」強調

参院予算委

 日本共産党の井上哲士議員は8日の参院予算委員会で、能登半島地震で急務となっている避難所の改善や、大規模分散備蓄などの対策強化を国の責務とするよう求めました。

 井上氏は、避難所が発災後かなりの期間、温かい食事や段ボールベッドもなかったと指摘。内閣府の「災害救助事務取扱要領」は食品供与が長期化した時に、適温食の提供などに配慮するとし、避難所における「取組指針」では在宅避難者等にもサービス提供が行き届くよう必要な措置を講じることを求めていることを指摘しました。(表参照)

 「今の避難所の実態とは相当の格差がある」として、要領や指針の内容実行に政府が責任を持つよう要求。松村祥史防災担当相は「プッシュ型支援をした。在宅避難者については発災当初にいろんな混乱があった」と答弁しました。

 井上氏は、輪島市が今月から応援職員が減ることを理由に、自主避難所への支援物資の配送をとりやめたことをあげ、「避難所からまだまだ食事を何とかしてほしいとの声を聞く。物的、人的な支援の強化が必要」と求めました。

 避難所の劣悪な環境を長引かせてきた要因の一つが備蓄不足だと指摘した井上氏に対し、松村担当相は「段ボールベッドを震災直後からこれまで5500個を送付した。国として2000個を備蓄していた」と答弁。井上氏は「発災2週間後の避難者は1万9000人で、全然数が足りなかった。床に近いほどウイルス等に感染しやすく、腰も痛める。命を守るために段ボールベッドが必要なのがこの間の教訓だ」と訴えました。

 井上氏はイタリアでは大規模分散備蓄があり、20州すべてに2500人分の備蓄が義務化され、さらに国が3カ所に大規模な備蓄倉庫を準備していると紹介。これをふまえ避難所・避難生活学会が提唱する清潔で洋式のトイレ(T)、温かい食事を提供できるキッチン(K)、段ボール等のベッド(B)を発災時から48時間以内に避難所に整える「TKB48」は大事な提案だと強調。「これらも生かして各自治体の備蓄強化と共に国としての大規模な分散備蓄が必要だ」と求めました。

 岸田文雄首相は「自治体の備蓄で、とどこおる場合に国が市場から調達するのが基本だ。最適な支援物資の備蓄量や保管方法について必要があれば見直したい」と述べました。

 井上氏は、今回の地震で自治体の備蓄量が足りないことがはっきりしたとし、「来年度予算で備蓄を強化している自治体も少なくない。国がどうするか問われている。国として責任を持った備蓄、被災者対策を強めるべきだ」と訴えました。

3、炊き出しその他による食品の給与

(4)留意点

 炊き出しその他による食品の給与が長期化したときには次の点に留意の上、食料の質の確保を図ること。

 ア 長期化に対応し、できる限りメニューの多様化、適温食の提供、栄養バランスの確保、高齢者や病弱者に対する配慮等、質の確保について配慮するとともに、状況に応じて管理栄養士等の専門職の活用についても検討すること。

内閣府「災害救助事務取扱要領」から

15、在宅避難等

(3)在宅等での避難を余儀なくされた方々に対して、…(略)…サービスの提供が行き届くよう必要な措置を講じること。

内閣府「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」から


pageup