2024年3月14日(木)
奈良教育大学付属小 教員強制出向
「全員替えろ」文科省圧力か
衆院文科委 宮本岳志議員が追及
子どもが理解しやすいよう授業や教材を工夫している奈良教育大学付属小学校の教員を同大学が強制出向させようとしている問題で、自民党や文部科学省から圧力がかかった可能性が明らかになりました。衆院文科委員会で13日、日本共産党の宮本岳志議員が関係者からの聞き取りをもとに追及し、盛山正仁文科相に対し、やってはならない「不当な支配」だと迫りました。
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同大学は付属小教員4人を4月から強制出向させようとしています。保護者は「強硬な異動措置に反対します」という署名を約2000人分集めて2月末、学長に提出。署名の呼びかけ文には「文科省は『法令違反をした教員が次年度も付小の教育を続けるのを避けて全員入れ替えるべき(だ)』という見解だ」と学長から聞いたとありました。
宮本氏は、文科省が学長や副学長ら4人を呼びつけた昨年10月10日の会議で「法令違反の可能性がある」「人事交流についても考えてみてはどうか」と言及したと同省の「訪問概要」にあると指摘。三木達行副学長が「自民党の文科部会でかなりのご意見、批判を受けた」「文科省の上層部から全員替えろと言われて、それでは運営ができないということで、何回も折衝した結果こういうことになってしまった」と説明したという付属小の教員の証言もあるとのべました。
宮本氏が「大学に『教員全員を入れ替えるべきだ』と迫ったのか」とただすと、文科省の望月禎総合教育政策局長は「大学に対して指示をしたということはございません」と答え、人事は「各国立大学法人の権限と責任に基づいておこなわれるもの」とのべました。
宮本氏は、証言の記録もあるとし、「大学ののぞまない全員出向を強制した。教育への不当な支配そのものだ」と批判しました。
宮本氏は学習指導要領の一言一句が「法規としての効力を有するということは困難」という七生養護学校(現七生特別支援学校)事件で確定した高裁判決を示し、教育内容を子どもに適した年次に教えることについて「指導要領を参考にした創意工夫だ」と強調しました。