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2024年4月2日(火)

きょうの潮流

 段差のある映画館で車いすを使う人が劇場スタッフに移動の手伝いを依頼したところ、次からは別の映画館に行くよう言われた―。障害のある女性が自身の体験をSNSに投稿しました▼これが炎上し、女性を批判する投稿であふれました。友達やヘルパーを連れて行けば解決する。車いすの持ち上げを介助経験のないスタッフにやらせるべきではない…▼「車いすの人は入店お断り」「障害があるから賃貸ルームの契約はできない」などの体験のある障害者は少なくありません。障害者差別解消法はこうした事例を、障害者を差別的に取り扱っているとして禁止しています▼同法は事業者に、スロープの設置や字幕、やさしい言葉づかいなど個々の障害に合わせた配慮をすることを求めています。障害のある人が障害のない人と同じように社会参加する機会を保障するためです。これまでは国・自治体が義務付けられていました。1日からは民間事業者も▼障害のある人の多くはこの動きを前進と評価します。「混雑時はともかく、落ち着いた時間帯にもかかわらず“見える人と来店して”と店員さんから対応された仲間がいます。こういうことがなくなることを期待します」。全盲の秋元美宙(みひろ)さん(21)は話します。「見えなくても一人で買い物したい。買い物は生活の営みの一部なのだから」▼障害のない人が自由にできることを障害を理由に諦めなくてもすむ社会にしませんか。障害の有無で分け隔てられることなく、共に生きられるように。


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