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2024年4月13日(土)

きょうの潮流

 上を下への大騒ぎだったにちがいない。江戸市中には「異国船渡来の節は騒ぎたててはならぬ」との町触(まちぶれ)も。黒船来航から1年後、ペリー率いる米艦隊がふたたび姿を現しました▼開国か交戦か。緊迫のなかで結ばれた条約は言葉の壁にもかかわらず交渉のたまものでした。その経過を追った加藤祐三著『幕末外交と開国』には、格別の偏見や劣等感を抱かず、熟慮し行動した幕府側の姿勢が明記されています▼国を開き、歴史を大きく変えることになった日米和親条約が締結されたのは170年前の今頃でした。そのあと両国は戦争の相手となり、日本は一時占領されるなど複雑な道すじをたどってきました▼そして、現在―。「日本は米国と共にある」。岸田首相が米議会で宣言しました。国内では見せられない喜色満面の笑みを浮かべて。「日本の国会では、これほどすてきな拍手を受けることはまずない」。演説のつかみで使った自虐ネタは、この人の厚顔無恥ぶりを表しているかのよう▼米国が果たしている役割はすばらしいと天までもちあげ、私たちは米国のグローバル・パートナーであり続けると誇らしげに訴えかけた首相。日本を米国の戦争に巻き込む危険も顧みずに。いったい、背負っているのはどちらの国なのか▼裏金事件もそっちのけで、この演説に備えスピーチライターを雇い、出発前から練習にいそしんでいたそうです。列強のいいなりにならず、主張すべきは主張した歴史はどこへ。いまこそ国中で大騒ぎするときです。


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