しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年8月1日(木)

志位議長、ローザ・ルクセンブルク財団理事長と会談

軍事同盟強化反対、平和の国際秩序づくりで協力

写真

(写真)握手するローザ・ルクセンブルク財団のハインツ・ビアバウム理事長(左)と志位和夫議長=31日、党本部

 日本共産党の志位和夫議長は31日、党本部でドイツのシンクタンク・ローザ・ルクセンブルク財団のハインツ・ビアバウム理事長(前欧州左翼党議長)と会談しました。両氏は、昼食をはさんで5時間近くにわたって、ウクライナ問題、ガザ問題、世界とアジアの平和構築の問題、欧州の左翼諸党の現状、日本のたたかいの現状、「共産主義と自由」をめぐる理論問題まで、幅広い意見交換を行いました。

 このなかで、ビアバウム氏は、ウクライナ問題をめぐりさまざまな立場があるが、「できるだけ早く平和と自由のチャンスを手にするために」、「兵器だけでなく外交に力を尽くすよう自らの政府に圧力をかける」という共通の立場をとることは可能だと強調し、すみやかに和平協議に入ることの重要性を強調しました。

 志位氏は、ロシアのウクライナ侵略は国連憲章違反であり許されないこと、ロシアの侵略の既成事実の追認となる即時停戦論はとらないことをのべたうえで、「一刻も早く流血を終わらせるためにすみやかな和平協議に入ることには賛成です」と表明しました。

 そのうえで、志位氏は、和平交渉に道を開くうえでは二つのことが重要だと指摘。一つは、ロシアの侵略を批判するが、イスラエルの大規模攻撃を事実上擁護する「二重基準(ダブルスタンダード)」を克服し、どの国であれ国連憲章と国際法に違反する無法は許さないことです。ビアバウム氏は、「ガザの問題でもウクライナ戦争でも同じ基準が適用されるべきだ」と応じました。

 さらに、志位氏は、和平交渉に道を開くうえでは、「インクルーシブ(包摂的)な外交努力が重要だ。最初から特定の国を交渉から排除する立場をとるべきではない」と述べ、両当事国・すべての関係国を包摂した外交努力を追求する重要性を強調しました。ビアバウム氏は「和平交渉の成功のためには、両当事国・すべての関係国が交渉に参加していくことが必要だ。財団主催の会議は、それを考える重要な機会となる」と述べました。

 世界の平和構築をいかにすすめるかについて、米国の「統合抑止戦略」のもとで、ユーラシア大陸の東西で米主導の軍事同盟強化が進められ、中国とロシアの側も軍事的な対抗を強めているもとで、両氏は、日本と欧州で軍事同盟強化の動きに反対する連帯を発展させることを確認しました。そのうえで、志位氏は、軍事同盟強化に対する抜本的対案として、日本共産党の「東アジア平和提言」の基本点を説明しました。党の「提言」に対して、ビアバウム氏は、「軍事抑止力論への批判、ブロック化の動きに対抗するということはたいへんに重要だ」、「ブロック政治に反対し、自主性、多様性を尊重するという点は、欧州の安全保障の機構を考えるうえでも重要だ」と述べました。

「共産主義と自由」の問題――理論面でも交流を

 志位氏は、日本共産党として旧ソ連などによってゆがめられた理論的誤謬(ごびゅう)を克服するなかでの理論的探求として、4月27日の「学生オンラインゼミ」での「共産主義と自由」「自由な時間」に関する講演、6月25日の全国都道府県学習・教育部長会議での理論講演の二つのテキスト(英訳)をビアバウム氏に手渡し、「共産党への攻撃を打ち破るためにも、マルクスの理論の豊かな内容を現代に生かすことが大事だ」と述べました。ビアバウム氏は、「共産主義と自由」「自由な時間」に関する理論活動の重要性をのべ、「社会主義というと、中国、ロシアを念頭に置きがちだが、発達した資本主義や高度な生産力から出発する点に注目している」とのべ、今後、理論面でも交流をすすめていきたいと述べました。

 会談には、日本共産党から緒方靖夫副委員長、小林俊哉国際委員会事務局次長、小島良一同委員が、同財団から北京事務所カナン・クス副代表が同席しました。

志位議長、ベルリンの国際会議に参加へ

 日本共産党の志位和夫議長は、8月31日、ベルリンで開催される「今こそ外交」と題する国際会議(ドイツのシンクタンク・ローザ・ルクセンブルク財団主催)への招待を受け、参加し、発言します。同国際会議では、ウクライナ問題の解決のために、いかにして和平協議に道を開くかを中心的な主題にして行われます。同会議には、両戦争当事国の専門家、国際社会と市民社会、各国政党代表などが参加し、討論する予定です。


pageup