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2024年9月20日(金)

主張

自民党と統一協会

組織的癒着の全面的な調査を

 安倍晋三元首相が現職首相時に、統一協会(世界平和統一家庭連合)会長ら幹部と自民党本部の総裁応接室で面談していた―朝日新聞(17日付)が写真付きで報じました。安倍氏は直後の参院選挙への支援を協会側と確認したといいます。

 2022年の安倍氏銃撃事件後、自民党議員と統一協会の関係が次々明るみにでました。しかし、自民党は組織的な関係をくり返し否定。党による調査をせず議員の「自主点検」に任せ、安倍氏についての調査も拒んできました。

 「朝日」報道を受け、岸田文雄首相は記者団に「統一協会との関係についてはこれまでも国会答弁などで再三説明してきた通りだ」とのべ、なおも組織的関与を認めず、調査を拒否しています。

 岸田首相は退陣表明で裏金と統一協会問題で国民の不信を招いたことを理由にあげました。問題にほおかむりして総裁選で幕引きにするのは許されません。現総裁として全面的に調査をする責任があります。

■組織的関与明らか

 「朝日」の報道によれば面談は参院選挙公示4日前の2013年6月30日でした。出席したのは当時の徳野英治会長、統一協会政治団体「国際勝共連合」の太田洪量(ひろかず)会長、後に協会世界会長となった宋龍天(ソン・ヨンチョン)氏。自民党側は安倍氏の実弟である岸信夫元防衛相、萩生田光一元経産相が同席し、13年の参院選比例区に立候補した北村経夫参院議員(現・山口選挙区)への支援を確認したとされています。

 本紙の取材に、北村氏の福岡事務所元スタッフは、同事務所に協会信者が選挙応援に来ていたと証言。協会末端組織では北村氏への支持を広げるよう信者に再三指示が出ていました。

 自民党本部で総裁である首相と統一協会会長が面談して選挙支援を確認し、実際に信者が選挙運動に動いていた―自民党の組織的関与は明らかです。統一協会から組織票をもらい、見返りに何らかの便宜を与えていたのではないかとの疑惑を深めました。

 統一協会は霊感商法や集団結婚で被害を広げてきました。近年では「地獄に落ちる」などと信者を恐怖に陥れ高額献金をさせています。信者の子どもに信仰や活動を強要するなど人権問題を起こしてきました。

 安倍氏は21年9月に、支援の見返りかのように統一協会のダミー団体が韓国で開いた集会にビデオメッセージを贈り、開祖文鮮明の妻である韓鶴子(ハン・ハクチャ)・現総裁に「敬意」まで表しました。

 安倍氏の行為は、数々の被害を引き起こしてきた反社会的集団に政府の責任者がお墨付きを与え、被害拡大に手を貸したもので厳しく批判されるべきです。

■口をつぐむ候補者

 自民党総裁選の候補者9人中3人、推薦人58人が「自主点検」で協会と接点がありました。9人とも癒着解明や被害救済の政策を掲げておらず調査にも後ろ向きです。この問題への考えを問う本紙や全国霊感商法対策弁護士連絡会のアンケートにも回答せず、だんまりを決め込んでいます。

 この問題抜きに「党の改革」が語れるはずはありません。問題にふたをして総裁選に臨むのではなく、自民党は徹底的に調査をし、国民に説明すべきです。


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