2024年9月26日(木)
侵略国「不処罰」を批判
国連総長 ウクライナ・ガザ念頭に
一般討論始まる
【ニューヨーク=柴田菜央】米ニューヨークで開かれている第79回国連総会で24日、加盟国の首脳らによる一般討論演説が始まりました。
グテレス国連事務総長は冒頭、ウクライナやパレスチナ自治区ガザの状況に触れて、他国への侵略や民間人の虐殺などを行い、国際法や国連憲章を平然と侵犯する政府が増えていると指摘。そのような国が責任を問われない「不処罰の時代」に立ち向かわなければならないと強調しました。
グテレス氏は、イスラエルのガザ攻撃やロシアのウクライナ侵略を念頭に、国際法や国連憲章を踏みにじり、国際人道法や国際法廷の決定を無視し、他国を侵略しても「何も起こらない」と批判しました。
ウクライナでは民間人の犠牲者が増え続けており、「国連憲章と国際法、国連決議に基づく公正な平和を実現する時だ」と指摘。また、イスラム組織ハマスによるテロ行為を非難しつつ、「パレスチナの人々に対する集団的懲罰を正当化できるものは何もない」と強調しました。
グテレス氏は、「入植地、土地強奪、挑発を拡大することで(2国家解決の)目標を破壊し続けている者たちに問う。代案は何か、と」と述べて、イスラエルの違法な占領を批判。「大多数のパレスチナ人が自由も権利も尊厳もない状態で(イスラエルに)統合される1国家の未来を世界はどうして受け入れられるだろうか」と厳しく指摘しました。