2024年11月12日(火)
主張
日本平和大会
軍拡・軍事同盟反対の連帯を
「なくそう!日米軍事同盟・米軍基地 日本平和大会」が16日にオンラインで開かれます。総選挙での自民・公明の衆院過半数割れという歴史的結果と、アメリカ大統領選挙でのトランプ氏の当選という新たな情勢の下で、日本と世界の平和、そして平和運動の方向を議論する集会として注目されます。
自公政権はこれまで、米軍と自衛隊がともに海外で戦争する態勢づくりやそのための大軍拡など、憲法違反の暴走をすすめてきました。“自国第一”を掲げ、アメリカの利益を優先させることを主張するトランプ氏が政権につくことで、日本に対する軍事負担増の要求がさらに強まる危険もあります。これまでにも増して「日米同盟絶対」の政治、外交のあり方が厳しく問われます。
■政権の暴走止める
自民党は選挙戦の中では大軍拡・大増税の問題を公然と掲げられず国民に隠してきました。自公が少数与党に転落したもとでは、これまでのように数の力で強行することはできません。軍拡と増税を改めて争点とする国民的な運動を発展させるならば、これをくい止める可能性も生まれています。日本平和大会がこうした運動を発展させる機会となることが期待されます。
国連憲章や国際法よりも、国益重視の「取引外交」を持論とするトランプ氏のもとで、紛争と対立、さらなる世界の分断が懸念されています。「日米同盟の強化」を掲げる石破政権がこれに追随すれば軍事対軍事の悪循環を招き、際限のない軍拡と戦争の危険を高めることになりかねません。
日本平和大会は「日米軍事同盟打破・基地撤去」を掲げて、1986年からはじまりました。日米安保条約にもとづく軍事同盟の問題を正面から議論するこの国民的集会は今日、いっそう重要な意義をもつものとなっています。
石破政権による憲法違反の暴走をくい止めるためには、その危険を告発するとともに、中国との関係や朝鮮半島問題などへの対応を含め、平和の代案を示すことが重要です。
日本共産党は今年4月に「東アジアの平和構築への提言」を発表し、対話と外交で平和と安全を実現する具体的提案を示し、共感をひろげました。「提言」では、その目標を実現するために、各国政府・政党・市民社会の共同とともに、草の根からの取り組みをよびかけています。
■東アジアテーマに
日本平和大会では、東アジアの平和をテーマに、海外の運動団体の代表も招いた国際シンポジウムがおこなわれます。新たな国際連帯の発展にむけた議論が注目されます。平和大会は「オール沖縄」のたたかいと連帯し、全国の軍事基地強化を許さない運動を交流し発展させるうえでも重要な場となります。
来年は戦後・被爆80年の歴史の節目です。戦争と平和、核兵器の問題が大きな関心と注目を集めるなかで、唯一の戦争被爆国であり、憲法9条をもつ国の平和運動としての役割がいっそう大きくなっています。日本平和大会が、多くの参加者(視聴)によって、その歴史的責務にふさわしい成功を収めることが求められています。