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2024年11月18日(月)

教育の未来語り合う

あいち教職員のつどい 志位議長が訴え

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(写真)質問に答えて参加者と交流する志位和夫議長=17日、名古屋市昭和区

 日本共産党の志位和夫議長を迎え、総選挙後の政治の大激動と教育の未来を語り合う「あいち教職員のつどい」が17日、名古屋市内で開かれました。参加した教職員らがリレートークで教育現場の現状を訴え。志位氏は寄せられた質問に一問一答形式で答えながら、経済、外交、未来社会論とともに、日本の教育の問題点と打開の展望を縦横に語りました。広い会場が参加者でいっぱいになり、その場で入党を決意する人もいました。

 総選挙で高校までの所得制限なしの授業料無償化を公約した議員が国会多数となる中、「私学も含めた高校までの完全無償化は本当に実現できる?」との質問が出されました。

 志位氏は、高校の授業料完全無償化は野党間では基本的に一致しており、実現の条件はあるとしたうえで、「ただし、自動的には進みません。国民の運動がどうしても必要です」と強調。大学の学費は主要政党の全てが「無償化」「負担軽減」などを公約に掲げる一方、国立でも私立でも「値上げラッシュ」が起きようとしているとして「1000億円を投入すれば値上げをやめさせることができます。学生の闘いに連帯して学費値上げをストップさせましょう」と呼び掛けました。

 さらに、受益者負担主義という根本の考え方を転換すべきだと指摘。フランスでは「共和主義を支える知的な判断力、批判精神をもった国民を育てるのが教育の使命であり、そのことによって利益を受けるのは社会だ。だから社会が費用を負担するのは当たり前」との考えで学費完全無料を実現していると紹介しました。

 日本共産党の「1日7時間・週35時間労働」の提案について「魅力的ですが、いまの教員の働き方を見ていると全然展望が持てない。どうしたら実現できる?」との問いが出されました。

 志位氏は、過酷な長時間労働は教員の健康と家庭生活、子どもの教育に深刻な影響を与え、「教員不足」という異常な事態をつくりだす原因にもなっているが、「その責任はあげて政府にあります」と強調。(1)仕事量に見合う教員定数の配置をやめた(2)残業代制度を適用除外にした―という二つの大問題があると指摘しました。「授業のコマ数の軽減―たとえば小学校で『1日3コマ』にすれば、7時間労働が実現します」「残業代制度を適用する方向での見直しで『働かせ放題』をなくす」などの改革を求めていくこと、そのためにも教育予算を抜本的に増やすために全力をあげたいと述べました。

 「教員は自由な時間ができたら、良い授業をするために(長時間)仕事をしてしまうのでは?」との疑問も出されました。

 志位氏は「それは素晴らしいことです。教育という営みを豊かにするためには、人類の生み出した文化的遺産、科学の到達点を深くとらえるための活動が必要になります。それは自発的な意思にもとづく自由な活動として喜びにもなるでしょう。7時間労働となれば、教育の専門家として自己を豊かにする活動を行ってもなお、自分と家族のための自由な時間も保障されることになるでしょう」と語りました。

 「受験競争をなくし、学ぶ喜びを感じることができるような教育にするためには?」との質問に、志位氏は「過度な競争教育こそ、国連から繰り返し是正が求められている日本の教育の最も悪い病弊です」と指摘。全国一斉学力テストを廃止すること、基本的に全員に受験を課す高校入試制度を廃止し、大学入試は1点を争う相対評価ではなく、ヨーロッパで行われているような資格試験制度―絶対評価にしていくなどの改革が必要だと主張しました。

 また、競争教育の根源には“格差社会を支える一握りのエリートをつくる”という恐ろしい思想があると指摘。「本当の学力は、子どもたちを競争においたてることでは決してつくれません。子どもたちを『できる子』『できない子』にふるいわけするのではなく、物事が『分かる』ことの喜びを伝えるのが教育の仕事です。そのなかでこそ本当の学力も育ってきます」と述べました。

 志位氏の著作『Q&A共産主義と自由』の内容に関わって「未来社会では、教育の役割は今とは全く違ってくるのでは?」との質問も。志位氏は、マルクスが『資本論』(第一部、第13章、「機械と大工業」)で、「未来の教育」の役割として、「全面的に発達した人間をつくる」ということを強調していると紹介し、「資本主義をのりこえた未来社会のあるべき姿としては、人間の持っているすべての能力を全面的に発達させることをめざすのが、当然の方向になります。そして、『未来の教育』の役割は、そうした『全面的に発達した人間をつくる』―まさに未来社会を構成する人間をつくることにあります」と強調しました。

 その上で、「こうした方向は、元々、資本主義のもとで人類が追求してきた民主主義的な教育の大方向です」と指摘。教育の本来の目的は教育基本法第1条や子どもの権利条約が規定する「人格の完成」であり、その実現に力をつくす営みは未来社会における「全面的に発達した人間をつくる」という教育の役割と地つづきでつながってくると力説しました。

 最後に志位氏が小学校教員だった父親のエピソードも交えながら、「政治が変われば教育が変わる」「すべての子どもたちを大切にする教育の実現をめざして、目の前の教育の問題点を一つひとつ解決しながら、政治を大本から変える闘いに一緒にとりくみましょう」と呼び掛けると、大きな拍手が湧き起こりました。


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