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2025年3月29日(土)

主張

統一協会に解散命令

癒着・利用した自民の責任重大

 霊感商法や高額献金など数々の被害を生んできた統一協会(世界平和統一家庭連合)に東京地裁は25日、解散命令を出しました。被害者が長く待ち望んできたものです。被害者救済の出発点にする必要があります。

 宗教法人の解散命令はオウム真理教、明覚寺(本覚寺)に続く3件目です。刑事犯罪ではなく初めて民事上の不法行為に適用し、正体を隠した伝道や高額献金など違法行為の悪質性・組織性・継続性を認定しました。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の集計では相談件数は1987年から2023年まで約3万5000件、被害総額1340億円で、その何倍もの潜在被害が確実に存在しています。

■確実な被害救済を

 命令が確定すれば協会の財産は裁判所が選んだ清算人の管理下になり、被害救済等に充てられます。しかし協会の即時抗告により高裁の決定を待つ間に協会が財産をダミー団体に移したり国外送金したりするおそれがあります。

 それを阻止し確実で円滑な被害救済のための立法措置が急務です。信仰を強制され心身の被害が続く「宗教2世」の救済など課題は山積みです。

 解散命令により協会は宗教法人格を失いますが、任意の宗教団体として存続します。今後も、同性婚の合法化阻止などのために議員抱き込み工作を継続するでしょう。男女の性行為を基調とする「祝福」教義と対立するからです。

 統一協会が日本で活動を始めたのは1958年です。それから60年余。なぜ犯罪的活動が温存、放置されたのか徹底的に解明されるべきです。

 重大なのは政治や行政・警察が何もしなかったこと、とりわけ政権党の自民党と協会が癒着し互いに利用し合ったことです。協会は選挙で反共謀略ビラを配るなど自民党を支援し、政治家との関係を信者獲得に利用してきました。

 75年結成の原理運動被害者父母の会や、87年結成の全国弁連などは早くから協会の犯罪を告発し、宗教法人認証取り消しや解散命令請求を訴え続けてきました。今回、東京地裁が解散要件として認定した32件の民事判決等はすべて全国弁連が過去に関与したものです。命令の証拠は早くから整っていたのです。

 しかし、政治も行政・警察もほとんど何もしませんでした。それだけでなく唯一の刑事裁判である新世事件(2009年)で捜査が協会本部に及ぶ直前に止まったのは政治の意向だったとされています。安倍晋三政権下の15年には協会を利する名義変更を認証しました。

■報じ続けた「赤旗」

 メディアの責任も問われます。全国弁連や父母の会(のちの家族の会)は毎年、全国集会を開き被害実態を告発し被害相談の統計を発表してきましたが、ほとんど報道されず、集会や記者会見を毎回報じるのは「赤旗」と一部の宗教専門紙くらいでした。メディアのこの姿勢が市民社会の無関心を招いたといえます。

 解散命令は問題解決の第一歩にすぎません。救済を確実にし、同種の事件を防ぐためにも、政治、行政、メディアの徹底的な総括が必要です。


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