2025年3月31日(月)
主張
介護保険のいま
創設25年を崩壊元年にするな
「介護崩壊元年」―2000年に始まった介護保険が4月1日で創設25年を迎えるのを前にこんなニュースがネットに流れています。「崖っぷち」の介護保険がいよいよ「崩壊」か。食い止めるため政治の責任が問われます。
圧倒的多数を女性が担っていた介護を「社会化」するとした介護保険は国民の期待を集めました。一方、保険制度の導入でそれまで介護費用の50%だった国庫負担が25%にされるなど、国の責任後退が当初から指摘されました。
住民税非課税以下の人も保険料を年金天引き▽利用料に減免がなく低所得者も1割負担▽要支援・要介護の認定がなければ利用できない▽サービス基盤が整っていない―など「保険あって介護なし」が危惧されました。日本共産党は市民と手を結び改善へ力を尽くしました。
■国家的詐欺と指弾
しかし自民・公明政権は「社会保障構造改革」「税と社会保障の一体改革」の名による社会保障削減路線のもと改悪を繰り返してきました。
一つは、給付削減です。06年には「要介護1」の大半を「要支援」に格下げしサービスを制限。15年には要支援の訪問介護と通所介護を保険給付から外し自治体の「事業」に置きかえ始めました。特養ホームの入所を要介護3以上の中重度者に限定し52万人の待機者のうち要介護1・2の人を切り捨てました。
厚生労働省老健局長も務め制度創設を主導した堤修三元社会保険庁長官が「国家的詐欺」と指弾するほどでした。
負担増が国民を追い詰めます。05年には施設入所者の食費・居住費を保険給付から外し原則自己負担に。低所得者には負担軽減制度(補足給付)がつくられますが、改悪で対象が制限されます。一律1割負担だった利用料も、15年には「一定所得以上」が2割、18年には「現役並み所得」が3割になります。
■在宅で暮らせない
いま崩壊危機にあるのは在宅介護のサービス基盤です。事業者の倒産や休廃業、解散は24年、過去最多の784社を記録しました。その7割が訪問介護です。介護報酬の本体部分は消費税増税対応部分を除いた実質でも創設時から5・13%も削減され、事業所のひっ迫を招く重大な要因となっています。
そのため介護労働者の賃金は全産業平均より月5万円低く人手が不足しています。ホームヘルパーは同6万円低く、有効求人倍率は14倍を超えます。ところが政府は24年、訪問介護の基本報酬を2~3%引き下げました。本紙の調査で同事業所「空白」自治体が半年で97から107に急増したことが判明しています。
訪問介護報酬を元に戻すよう200を超す自治体から意見書が上がっています。必要な国費はわずか50億円です。
日本共産党は介護職員の賃金を公費で全産業平均並みに引き上げるため国庫負担を緊急に10%引き上げることを提言しています。自公政権はさらに利用料原則2割▽要介護1・2の訪問介護等の保険外し▽ケアプラン有料化―を狙っています。改悪を許さず大軍拡予算を介護・暮らしに回せの声をあげるときです。